講談師 神田伯山 新春連続読み『寛永宮本武蔵伝』完全通し公演 来年1月上演!
講談師 神田伯山の襲名・真打昇進後初となる新春連続読み『寛永宮本武蔵伝』完全通し公演が、2022年1月6日~16日、東池袋のあうるすぽっとで上演される。
本公演は、2021年1月に開催を予定しながら新型コロナウイルス感染症拡大防止のために延期したが、このたび開催される運びとなった。
神田伯山が自身の活動のなかで最も重きを置いている“連続物”の上演は、あうるすぽっとにて2019年1月に『慶安太平記』全19席、2020年1月には『畔倉重四郎』全19席の“連続読み完全通し公演”に一人で挑んだ。前売りチケットは5日間にわたる通し券のみだったが、いずれも即日完売。伯山の「連続物の楽しさを伝えたい」という強い思いに応えるかのように、多くの観客が緊密した贅沢な空間で、気鋭の講談師の一言一句を堪能しようと、連日、足を運び大盛況となった。
本作『寛永宮本武蔵伝』は伯山が初めて覚えた連続物で、あうるすぽっと初登場の際の読み物も本作の一席「狼退治」(『武蔵』第4話)だった。「狼退治」は一席物としても人気だが、連続読みの中で聴く機会が少ないため、その点もファンにとっては楽しみのひとつとなるにちがいない。伯山自身も「初心に立ち返って、徐々にですが“真打の武芸物”を模索する第一歩にしたい」と意気込みを語る。
本作について伯山は、「宮本武蔵は、江戸から東海を通って九州に向かう旅の話です。物語も西へ西へと旅するので、各地のお客様には、武蔵が近づいてくる感じも皮膚感覚で楽しんでいただけるものと思います」と話す。また、「伯山の名を継いだ今、このライフワークについては、お客様にも連続物の会だけは特別、というか、連続物の時の伯山は、いつもとはちょっと違って鬼気迫るものがあるな、と思っていただけるよう、“真打としての芸”を突き詰めていきたいと思っています」と意気込みを語っている。
緩急自在の語り口と巧みな張り扇のリズムで物語を引っ張り、演劇的とも言える演技性の高い会話表現によって登場人物に息を吹き込む様が魅力で、客席は情熱的でドラマチックな迫真の語りに息をのみ、物語にのめり込んでいく。真打となり、伯山の名では初の一人で挑む連続物の通し公演。講談人気の復活のために先陣を切り、歴史に名を刻む“伯山のいま”を、是非見届けてほしい。
《 連続物『寛永宮本武蔵伝(かんえいみやもとむさしでん)』あらすじ》
「二刀流の伝説の剣豪が死闘を繰り返し西へ西へと旅する 17席の物語」
豊前小倉藩の家臣宮本伊織の子で、江戸の藩邸で生まれた宮本武蔵は、父について剣術を学び、工夫を重ねて二刀流をあみ出した。武蔵の妻の父であり、白山下に道場を構える石川軍刀斎巌流(いしかわぐんとうさいがんりゅう)の評判をねたんだ肥後熊本の剣豪、佐々木小次郎岸柳が弟子を「偽岸柳」に仕立てて江戸に送り、巌流に果し合いを申し込む。病身のため宿敵の挑戦を受けられぬ巌流は無念の自死。武蔵は「偽岸柳」を討って義父の仇を討ち、真の小次郎岸柳を倒すため、江戸を後にする。箱根の山中で狼を退治し、名古屋で御前試合をし、老いたる柳生十兵衛と戦い、天狗退治に名乗りを上げ、熱湯風呂で窮地に陥るなど、名だたる武芸者、武術家と巡り合い、あるときは教えを乞い、またあるときは死闘を繰り返しながら、西へ西へと旅を続ける。ついに下関で小次郎岸柳の足跡を見つけ、武蔵は関門海峡の船上で小次郎岸柳に出くわし、豊前小倉の灘島(巌流島)での最後の決戦で首尾良く宿敵小次郎を倒す。 (本文は、神田松之丞 著「神田松之丞 講談入門」河出書房新社 より)
【神田伯山 コメント】
ありとあらゆる興行が、延期をしております。
ひどいのになりますと、延期興行の延期興行のそのまた延期興行で、お客様半分にしてのソーシャルディスタンス昼夜公演という、大変な状況になっております。
「寛永宮本武蔵伝」は、一年間。私もお客様も待たされました。
佐々木小次郎を待たせてジリジリさせた、宮本武蔵の計略のようです。
そう思うと、この公演は武蔵の思い通りかもしれません
さぁ、ようやく武蔵が参ります。開幕です
【公演情報】
講談師 神田伯山 新春連続読み『寛永宮本武蔵伝』完全通し公演 令和四年
出演:神田伯山
日程:2022年1月6日(木)~16日(日)各日 18:30 開演
○A 日程:前夜祭 1月 6日(木)・『寛永宮本武蔵伝』1月 7日(金)~ 10日(月・祝)
○B 日程:前夜祭 1月 12日(水)・『寛永宮本武蔵伝』1月 13日(木)~ 16日(日)
*A日程・B日程は同一内容。前夜祭は『寛永宮本武蔵伝』とは異なる演目。1月 11日(火)は休演日。
会場:あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)
〈料金〉一般 17,500円 U24(24 歳以下)12,500円 障害者割引 15,500円 (全席指定/通し券[前夜祭+完全通し公演])
〈チケット〉一般抽選販売あり
*2021年12月15日(水)頃、劇場ホームページにて発表
〈お問い合わせ〉としまチケットセンター 0570-056-777 (10:00~17:00/臨時休業あり)
〈公演公式ホームページ〉https://www.owlspot.jp/events/performance/post_230.html
【ツアー情報】
●名古屋公演:2022 年 1 月 19 日(水)~1 月 23 日(日)西文化小劇場
〈お問い合わせ〉西文化小劇場 052-523-0080
https://www.bunka758.or.jp/scd07_top.html#nishi-20220119
●福岡公演:2022 年 1 月 26 日(水)~1 月 30 日(日)福岡市科学館6F サイエンスホール
〈お問い合わせ〉(公財)福岡市文化芸術振興財団 092-263-6265 http://www.ffac.or.jp/634/