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歌舞伎座「四月大歌舞伎」第一部『天一坊大岡政談』の尾上松緑が大岡越前守の墓参り

歌舞伎座「四月大歌舞伎」は、4月2日に初日を迎えるが、その第一部『天一坊大岡政談』で大岡越前守を勤める尾上松緑が、神奈川県茅ヶ崎市にある大岡家の菩提寺・浄見寺を墓参した。

今回、通し狂言として上演される『天一坊大岡政談』は、初代神田伯山が得意とした人気の講談を元に河竹黙阿弥が書き下ろした作品。「天一坊事件」という天下を揺るがした実在の大事件が題材となっている。

天下の名奉行・大岡越前守に尾上松緑、悪の魅力溢れる天一坊に市川猿之助、天一坊の参謀役・山内伊賀亮に片岡愛之助が豪華共演。クライマックスまで怒涛の展開で魅せる。

大岡越前守を勤める尾上松緑が3月17日、神奈川県茅ヶ崎市にある大岡家の菩提寺・浄見寺を墓参した。茅ヶ崎市では、毎年4月に名奉行を偲んで「大岡越前祭」が開催され、墓前祭、越前行列など様々な催しが行われている。新型コロナウィルスの市内感染のまん延防止・感染拡大防止という観点から昨年に引き続き今年も中止となったが、市の内外を問わず親しまれている。

大岡越前守は、テレビ時代劇や講談でもお馴染みの江戸時代の名奉行。公正で機知と人情に溢れる見事な裁きは「大岡裁き」と呼ばれ、多くの人々に愛されてきた。1996年にはNHK時代劇『大岡政談  池田大助捕物帳』で祖父・二世松緑が大岡越前守、父・初世辰之助が池田大助を演じている。

茅ヶ崎市・浄見寺を訪れた尾上松緑は、本堂や大岡越前守のお墓の前で手を合わせ、4月公演に向けての思いを語った。

【尾上松緑コメント】

──お墓参りを終えて

大岡様というと越前守の忠相を思い浮かべますが、本日、歴代の大岡家のお墓参りをさせていただいて、歴史と重みを感じました。自分が大岡越前守をさせていただくことがあるとは思ってもおりませんでしたので、非常に身の引き締まる思いです。「あいつに大岡を任せてよかったな」と思ってもらえる大岡越前守を勤めたいです。また、大岡忠相の息子・忠右衛門を私の息子である尾上左近が演じさせていただくので、「親子で勤めさせていただきます」というご挨拶ができました。本堂では、まさか大岡様の直筆の書(「所寶惟賢」)を拝見できるとは思いませんでした。大岡様らしい書で、あやかって東京に帰ったら改めて台本と向き合って役を作っていきたいと思います。

──大岡越前守のイメージ

歌舞伎では、尾上菊五郎のお兄さん、(十二世)市川團十郎のおじ、中村梅玉のお兄さんなど尊敬する先輩方が演じられてきた重要な役。時代劇では加藤剛さんや北大路欣也さんの印象があり、私が生まれる前には「大岡政談 池田大助捕物帳」という時代劇で父が池田大助を、祖父が大岡越前守を勤めています。今回、師匠でもある菊五郎のお兄さんからは、「自分なりの大岡を作るように」と言っていただきました。私は演じる年齢が皆さんに比べて若いので、その分、颯爽と爽やかに勤めたいと思います。大岡越前守は曲がったところのない、理知的で、真っすぐな人物。久しぶりにど真ん中の正義を一か月貫いて演じたいと思います。

──天一坊 を演じる市川猿之助 、山内伊賀亮を演じる 片岡愛之助との共演について

お二人とも気心の知れている仲なので、心配はありません。来月の共演を楽しみに、3人で良い舞台を作っていければと思います。大岡越前守として、きっちりと猿之助さん、愛之助さんを裁きたいと思います!

──お客様 へ向けてメッセージ

まだまだ大手を振って劇場にいらしてくださいとは言えない状況ですが、観に来てくださった方には、芝居をご覧になっている間は、コロナのことや世界情勢のことなどを忘れていただけるような爽快な物語を猿之助さん、愛之助さんはじめ皆さんと作っていきたいと思います。

【公演情報】
歌舞伎座「四月大歌舞伎」
2022年4月2日(土)~27日(水)
【休演】11日(月)、19日(火)

◎第一部 午前11時~

河竹黙阿弥 作
奈河彰輔 補綴
通し狂言『天一坊大岡政談(てんいちぼうおおおかせいだん)』
紀州平野村お三住居の場より大岡役宅奥殿の場まで

大岡越前守 松緑
山内伊賀亮 愛之助
池田大助 坂東亀蔵
平石治右衛門 歌昇
下男久助 巳之助
下女お霜 新悟
近習金吾 男寅
同 新蔵 鷹之資
嫡子忠右衛門 左近
藤井左京 青虎
名主甚右衛門 寿猿
お三 笑三郎
伊賀亮女房おさみ 笑也
赤川大膳 猿弥
僧天忠 男女蔵
吉田三五郎 松江
大岡妻小沢 門之助
天一坊 猿之助

◎第二部 午後2時40分~

真山青果 作
真山美保 演出
齋藤雅文 補綴・演出
江戸絵両国八景
一、『荒川の佐吉(あらかわのさきち)』

荒川の佐吉 幸四郎
丸総の女房お新 魁春
お八重 孝太郎
極楽徳兵衛 亀鶴
大工辰五郎 尾上右近
櫓下の源次 廣太郎
あごの権六 吉之丞
茶屋女房おかつ 歌女之丞
白熊の忠助 橘三郎
鍾馗の仁兵衛 錦吾
隅田の清五郎 高麗蔵
成川郷右衛門 梅玉
相模屋政五郎 白鸚

二、『義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)』
所作事 時鳥花有里(ほととぎすはなあるさと)

源義経 梅玉
鷲尾三郎 鴈治郎
白拍子 園原壱太郎
同 帚木 種之助
同 伏屋 米吉
同 雲井 虎之介
白拍子三芳野 扇雀
傀儡師輝吉 又五郎

◎第三部 午後6時20分~

森 鷗外 原作
宇野信夫 作・演出
一、『ぢいさんばあさん』

美濃部伊織 仁左衛門
下嶋甚右衛門 歌六
宮重久右衛門 隼人
宮重久弥 橋之助
久弥妻きく 千之助
戸谷主税 松之助
石井民之進 片岡亀蔵
山田恵助 権十郎
柳原小兵衛 秀調
伊織妻るん 玉三郎

二、『お祭り(おまつり)』

芸者 玉三郎
若い者 中村福之助
同   歌之助

〈料金〉1等席16,000円 2等席12,000円 3階A席5,500円 3階B席3,500円 1階桟敷席17,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉チケットホン松竹(10:00-17:00)0570-000-489
または東京 03-6745-0888 チケットWeb松竹 検 索
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/750

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