日本演劇史の不朽の名作『女の一生』に大竹しのぶが挑む!
日本演劇史に燦然と輝く不朽の名作『女の一生』が、11月に新橋演舞場で上演される。
この作品は昭和 20 年4月、終戦直前に森本薫が文学座に書き下ろし、杉村春子主演で上演された。杉村は以来、その生涯に947 回にわたって主人公の布引けいを演じ、観客の圧倒的な支持を得た。
物語は、明治 38 年(1905)から昭和 20 年(1945)までを全五幕七場で綴り、天涯孤独の少女であった布引けいが、拾われた家の長男の妻となって家業を守る40 年間を描いている。
今回、杉村春子の当たり役“布引けい”に挑むのは、舞台女優として円熟味を増している大竹しのぶ。大竹は杉村の当たり役『日の浦姫物語』の日の浦姫役を 2012 年に、『欲望という名の電車』のブランチ役を 2017 年に演じており、満を持して本作に初めて取り組む。
けいが拾われる“堤家”には豪華実力派の出演者が勢揃いした。次男の堤栄二に高橋克実、長男の堤伸太郎に段田安則、次女の堤ふみに宮澤エマ、ふみの夫の野村精三に林翔太、女主人の堤しずに銀粉蝶、そして、叔父の堤章介に風間杜夫という豪華キャストが顔を合わせた。演出は段田安則がつとめる。
【物語】
明治 38 年(1905 年)日露戦争の後―日本がようやく近代的な資本主義国の姿を整え、同時にその動向が世界の国々と絶ちがたく結び合い、影響し始めた時代。戦災孤児の境涯にあった布引けい(大竹しのぶ)が、不思議な縁から拾われて堤家の人となったのは、そんな頃である。
清国との貿易で一家を成した堤家は、その当主はすでに亡く、後を継ぐべき息子たちはまだ若く、妻のしず(銀粉蝶)が義弟・章介(風間杜夫)に助けられながら、困難な時代の一日一日を処していた。甲斐甲斐しい働きぶりを見せるけいは、しずに大変重宝がられた。同時にけいと同様に闊達な気性の次男・栄二(高橋克実)とも気性が合い、お互いにほのかな恋心を抱くようになった。
そのけいの思慕とは裏腹に、しずは跡取りであるべき長男・伸太郎(段田安則)の気弱な性格を気がかりに思い、気丈なけいを嫁に迎えて、堤家を支えてもらう事を望んだ。しずの恩義に抗しきれなかったけいは、伸太郎の妻となった。
けいは正真正銘堤家の人となり、しずに代わって家の柱となっていく。担い切れぬほどの重みに耐えながら、けいはその「女の一生」を生きるのである。
時は流れて昭和20年・・・。二つの大戦を経る激動の時代を生きて、今、焼け跡の廃墟に佇むけいの前に、栄二が再び戻ってきた。
過ぎ去った月日の、激しさと華やかさを秘めて、二人はしみじみと語り合うのであった・・・。
【キャスト】
布引けい:大竹しのぶ
堤 栄二:高橋克実
堤 伸太郎 :段田安則
堤 ふみ:宮澤エマ
職人 井上:森本健介
堤 総子:服部容子
堤 知栄:多岐川華子
野村精三:林 翔太
堤 しず:銀粉蝶
堤 章介:風間杜夫
【コメント】
大竹しのぶ
―『女の一生』出演への想い―
役者にとって、一つの役を演じ続けることができるのは幸せなことです。
何度でも、何度でも、より深く、より良くなるチャンスを与えられているのですから。
が、何度もやる為には、その役が強い支持を得られなければなりません。
杉村春子さんは、そんな強い支持を受けられてきた、ただ一人の女優さんなのではないでしょうか。
そして今度、この役を大好きな演舞場で、私が演じることになりました。
杉村さんが長い間大事にしてきた、けいの魅力をきちんと理解し、表現できるように誠実に一生懸命演じてゆきます。頑張ります。
【公演情報】
『女の一生』
作:森本薫
補綴:戌井市郎
演出:段田安則
●11 /2~26◎新橋演舞場
〈料金〉一等席13,000円 二等席8,500円 三階A席5,000円 三階B席3,000円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈発売開始〉10 月 4 日(日)午前 10 時より電話・Web 受付開始
◯チケットホン 松竹 0570-000-489 または 03-6745-0888
窓口販売・お引き取りは 10 月 6 日(火)から。
窓口販売用別枠でのお取置きはございません。
◯チケット WEB 松竹(24 時間受付) http://www1.ticket-web-shochiku.com/t/
〈公式サイト〉https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/enbujyo_20201031/