日本初演30周年記念公演!ミュージカル『ミス・サイゴン』2022年夏に帝劇で上演!
『ミス・サイゴン』は、プロデューサーがサー・キャメロン・マッキントッシュ、作、アラン・ブーブリル、作曲、クロード=ミッシェル・シェーンベルクという『レ・ミゼラブル』を世に送り出したチームの第二弾として製作された。1992年からの1年半のロングランでの日本初演以来、通算上演回数1463回を重ねた大ヒット作。
舞台は、ベトナム戦争陥落間近のサイゴン。エンジニアの経営するキャバレーで知り合った、ベトナム人の少女・キムと米兵クリスの二人の愛、サイゴン陥落でのドラマティックな別離。そして、戦後の運命的な再会。そして、キムの子タムへの究極の愛。これをすべて歌で表現する物語。舞台装置も観客の度肝を抜く。例を上げれば、サイゴン陥落のシーンでは、舞台に、実物大のヘリコプターが登場する。
日本初演は、1992年4月から、翌年9月まで、504日間、745ステージ。スケール、音楽、魂を揺さぶる感動、どれをとっても「超大作」形容される作品は、『ミス・サイゴン』をおいて他にはない。
2012年からは、2004年にイギリスで初演されたスピーディさとドラマティックさを併せ持った新演出版で、ロンドン・ウェストエンドとニューヨーク・ブロードウェイに先駆けて全国各地で上演した。大好評を受け、2014年、2016年と帝劇ほか全国で公演。2020年に5月から9月にかけて、帝劇および8都市で106公演を予定していたが、新型コロナ感染防止のため、全日程を中止した。
そしてこの度、2022年夏に帝劇で行われる日本初演30周年記念公演に、 豪華キャストが顔を揃えることが決定した。
市村正親は1992年日本初演以来、ただ一人一貫して『ミス・サイゴン』に出演し続けた「ミスター・サイゴン」として世界的に高い評価を受けている。足掛け30年間演じることになるエンジニア役を世界で類を見ない73歳で披露する。1990年に劇団四季を退団後に得た大役エンジニアは、市村正親にとってのアメリカン・ドリームだった。2014年公演は5回演じたのみで闘病のため降板。22016年に完全復活を遂げながら、エンジニア役からの卒業を表明したものの、熱烈なアンコールに応え、2020年公演での続投を発表。今年秋の大作ミュージカル『オリバー!』の主演を経て、2022年帝劇での記念すべき日本初演30周年記念公演のステージで6年ぶりに待望のエンジニア役を演じる。
さらにエンジニア役は『レ・ミゼラブル』や『ラ・マンチャの男』でも活躍する駒田一(2014年~)、2019年に初めて演じた『レ・ミゼラブル』のジャベール役で高い評価を得た伊礼彼方(新キャスト)、『エリザベート』初演(2000年)にトートダンサーとして帝劇に初めて立ち、多彩な舞台を演じる東山義久(新キャスト)が、ロンドンの厳しいオーディションを勝ち抜いた。
ヒロイン・キム役は、映画・ドラマ・演劇と多彩な分野で演技が高く評価され、今年3月の日本初演ミュージカル『ウェイトレス』主演が高く評価され、第46回菊田一夫演劇賞を受賞した高畑充希(新キャスト)、『レ・ミゼラブル』エポニーヌ役や実写版映画「美女と野獣」のベル役の日本語版吹き替えとして名声を高める昆夏美(2014 年~)、『集まれ!ミュージカルのど自慢』(2016 年帝劇開催)で大学生参加、キム役の名曲『命をあげよう』を歌唱し最優秀賞を受賞した屋比久知奈(新キャスト)、上記 3 名が演じる。(2020年公演で3名と共にキム役を演じる予定だった大原櫻子は、スケジュールの都合により、2022年公演には出演しない。)
キムと愛し合うアメリカ兵・クリス役は、小野田龍之介(2016年~)に加え、海宝直人(新キャスト)、チョ・サンウン(新キャスト)が参加する。
2020年公演に出演を予定していたプリンシパルキャストのほとんどが、2022年公演に顔をそろえ、帝国劇場での復活公演に臨む!
【STORY】
物語は、陥落直前のサイゴン(現在のホーチミン市)。フランス系ベトナム人-通称エンジニアの経営するキャバレーで、アメリカ兵クリスと17歳のベトナム人少女・キムとの出会いから始まる。
この戦争に疑問だらけのクリス、戦禍ですべてを失い、生きるすべを求めて、この店に初めて働きにでたキム…出会いは、すぐに恋に変わる。
お互いに永遠の愛を誓いながら、サイゴン陥落の混乱の中で離れ離れになってしまった二人。エンジニアと共に、バンコクに逃れ、クリスがいつの日か迎えに来てくれると信じ、懸命に生きるキム。キムには、誰にも明かさぬ秘密があった。それは、クリスの帰国後、彼との間に生まれた一人息子・タム。キムにとっては、タムだけが唯一の希望・生きる力だった。
それを知らずベトナム後遺症になり、連日悪夢にうなされるクリス。やがて、彼は、新しい人生を始めるために、エレンと結婚。ところが、戦友のジョンからクリスは、子供と共に、キムが生きていることを告げられる。愕然とするクリス。
そして、クリスとキムの運命の糸をあやつりながら、したたかに、「アメリカンドリーム」を追い求めるエンジニア、キムに会うために、バンコクを訪れるクリスとエレンとジョン。不幸なすれ違いが起こる。
キムの宿願は、タムをアメリカに渡らせ、豊かな未来を作ってあげること。そのためには、キムは自らの命もかける思いだった。
『ミス・サイゴン』は戦争という極限の世界に咲いた、「究極の愛」の物語である。
【コメント】
市村正親(エンジニア役)
日本初演 30 周年とは、信じられません。
この作品で、ミュージカル俳優としての立場を確立することができました。30 年間上演し、出演できたことも奇跡ですが、僕もよく頑張った(笑)。
今回が僕にとって、『ミス・サイゴン』の集大成になることでしょう。
コロナと戦い始めて2年近くの月日が流れましたが、それに負けず、来年、念願かなって上演することができる。
みなさんと劇場でお会いできることを楽しみにしています。
高畑充希(キム役)
昨年、サイゴンカンパニーに居た時間は1か月と短いものでしたが、本当に幸せで。あぁ、もう少しこの世界で、キムでいたかったなと後ろ髪を引かれる思いで稽古場を後にしました。
私自身、この1年、この普通じゃない世界に対して感じたり考えたりしたことが多くて。きっと公演までの1年も、新しい想いが増えるような気がしています。その濃密な 2年間を大切に抱えて、来年、帝国劇場に立てたらな、と思います。
エンタメは、やっぱりワクワクをくれます。
来年がとても楽しみです。
昆 夏美(キム役)
2022 年夏に『ミス・サイゴン』が帰ってきます!
コロナの影響で様々なエンターテイメントが誕生の機会を得る事ができなかったあの2 年前から「いつかまた」という想いを持って過ごしてきました。
この作品の持つパワーと我々の想いが合わさった非常に熱い舞台になると思います。
日本初演 30 周年記念ということで、今やるべくしてやるタイミングだと思いますので是非ご期待ください。
屋比久知奈(キム役)
昨年の公演中止の知らせを受け取った時のあの気持ちは、今でも忘れられません。
キムを生きられること、本当に本当に嬉しいです。
生きる力、生きていく力、生き抜く力、生身の人間が放つエネルギーを強く感じる『ミス・サイゴン』という作品が、今上演されることにとても大きな意味を感じています。
日本初演 30 周年という特別な年。
ふつふつと溜めていた作品への想い、願い、祈り、全てをキムの人生にのせて、精一杯キムを生きます!!!
【公演情報】
ミュージカル『ミス・サイゴン』
オリジナルプロデューサー:キャメロン・マッキントッシュ
作:アラン・ブーブリル/クロード=ミッシェル・シェーンベルク
エンジニア役:市村正親、駒田一、伊礼彼方、東山義久
キム役:高畑充希、昆夏美、屋比久知奈
●2022年7・8月◎帝国劇場