新作シネマ歌舞伎『女殺油地獄』松本幸四郎が東京国際映画祭で舞台挨拶!
歌舞伎の名舞台を映画館で楽しむ「シネマ歌舞伎」の最新作『女殺油地獄』が11月8日より全国公開となる。公開に先駆けて現在開催中の東京国際映画祭にてワールド・プレミアが開催され、本作で主演を勤めた松本幸四郎が上映前の舞台挨拶に登場、本作の見どことや自身の演じた役どころなどをたっぷりと語った。
今回、シネマ歌舞伎作品として東京国際映画祭に初出品となった『女殺油地獄』は昨年の大阪松竹座で行われた十代目松本幸四郎襲名公演を撮影した、“襲名記念シネマ歌舞伎作品”ということもあり、「実際に舞台を観ていただくのとスクリーンで観ていただくとのは全く違うと思います。スクリーンで観て楽しんでいただけるよう新たな演出を加えた作品となっております」と本作への強い思い入れを語りました。
本作では放蕩三昧で借金をつくり両親からも勘当を言い渡される油屋の次男・与兵衛を演じた幸四郎。自身が演じた役どころについて訊かれると「遊ぶとき、謝るとき、喜ぶときなど、いつでも本能のままに生きている部分が魅力的』と語り、精神面では『(三幕目の殺しの場を)演じていく上での精神状態は、殺しが快楽に変わっていく。最初は恐怖を感じているけれど、与兵衛はそれが、どんどん楽しくなっていくんです』と与兵衛という青年の心の変化を丁寧につくりあげていったこと話した。
また「殺しの場面はカメラを舞台の上にあげ、観客の居ない中で撮影をしました。息遣いや着物の擦れる音なども収録しています。ですので、最初はみんなで一緒の舞台を観ている感覚から、進むにつれ、だんだん一人で観ているような感覚になり、最後には映画作品を観たような不思議な気持ちになる作品です」と見どころについても語った。
「映画館でみる映画というのは別世界に連れて行ってくれるものなので、本作もそういう作品になるように頑張りました」と映画作りに対する思い、そして、自ら編集作業にも携わった本作振り返り、「歌舞伎の可能性を監督と話し合って、今出来ることの全てが詰め込まれた作品に仕上っています」と自信をみせた。
最後に「自分自身が昨年7月に上演しましたが、実際の舞台よりも面白い作品に仕上がっています」と会場の笑いを誘い舞台挨拶は終了した。
また17日にも、東劇にて松本幸四郎登壇による『女殺油地獄』舞台挨拶の開催が発表された。
●11/17日(日)12:15『女殺油地獄』本編上映開始
14:00 トークイベント開始 (本編上映終了後、トークイベント)
開場:東劇 東京都中央区築地 4-1-1 東劇ビル 3F※
〈料金〉一般 2,100 円 学生・小人 1,500 円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈前売開始〉11月4日 10:30~東劇窓口・HP にてチケット発売!
【上映情報】
シネマ歌舞伎『女殺油地獄』収録公演(2018 年 7 月 大阪松竹座公演)
本編尺:103 分
監督:井上昌典(松竹撮影所)
出演:松本幸四郎 市川猿之助 市川中車
市川高麗蔵 中村歌昇 中村壱太郎 大谷廣太郎
片岡松之助 嵐橘三郎 澤村宗之助 坂東竹三郎
中村鴈治郎 中村又五郎 中村歌六
〈鑑賞料金・税込〉一般 2,100 円 学生・小人 1,500 円 特別鑑賞券[ムビチケカード]1,800 円
●11月 8 日(金)より全国の映画館で公開