圧巻の見せ場「狂乱の場」ドニゼッティの愛の悲劇『ルチア』間もなく開幕!
新国立劇場では、4月18日より、ドニゼッティが作曲したベルカント・オペラの最高傑作のひとつ『ルチア』を上演する。
スコットランドを舞台にルチアとその兄ランメルモールの領主エンリーコ、ルチアの恋人エドガルドが繰り広げる悲劇。
恋人の裏切りを告げられて政略結婚をさせられ、恋人に呪われ絶望のあまり狂気に陥ったヒロイン、ルチアが歌う「狂乱の場」は圧巻。プリマ・ドンナが10分以上に渡って超絶技巧と演技力を駆使し、悲劇的な錯乱状態を表現する、最大の見せ場となる。
モンテカルロ歌劇場との共同制作で、2017年に新国立劇場で世界初演を迎えたジャン=ルイ・グリンダ演出のプロダクションは、その後、2019年6月にバレンシア・ソフィア王妃芸術宮殿、11月にモンテカルロ歌劇場で上演された。
注目のルチア役には、17年『椿姫』でも圧倒的技術と表現力で観客を魅了した美貌のスター・ソプラノ、イリーナ・ルングを迎える。
エドガルドにベルカントの人気テノール、ブラウンリー。エンリーコにスケールの大きな歌唱が魅力の須藤慎吾。
指揮には世界の歌劇場で話題をさらう女性指揮者、スペランツァ・スカップッチがいよいよ新国立劇場デビューを飾る。
【ものがたり】
第1部
17世紀スコットランドのレイヴンスウッド城。エンリーコ・アシュトン卿はレイヴンスウッド家を倒したが、家をさらに安泰させるには妹ルチアの政略結婚しかないと目論んでいる。ところが家臣ノルマンノによれば、ルチアは宿敵レイヴンスウッド家のエドガルドと愛し合っているという。エンリーコは妹の道ならぬ恋に怒る。エドガルドとの愛だけが生きる希望であるルチアは、庭園の泉で彼を待っていた。やってきたエドガルドは、フランスへ発たねばならないので、その前にエンリーコと和解して二人の愛を認めてもらおう、と語るが、ルチアは時期尚早だと諭す。エドガルドは結婚を誓ってルチアの指に指輪をはめる。
第2部第1幕
政略結婚の準備が進んでいたが、ルチアは、自分はすでに他の人と結婚の誓いを立てた、と訴える。そんな妹にエンリーコは、偽の手紙を渡す。エドガルドの心変わりを伝える内容に動揺したあまり、ルチアは結婚を承諾。大広間でアルトゥーロ・バックロウ卿との婚礼の儀式が行われ、ルチアは結婚契約書にサインをする。そこにエドガルドが帰還。結婚契約書を見て愕然とし、指環を外してルチアを呪う。
第2部第2幕
エドガルドの住む塔にやってきたとエンリーコ。二人は明朝、決闘することを約束する。婚礼の宴が続くレイヴンスウッド城の大広間に、血まみれのルチアが現れる。悲しみのあまり正気を失ったルチアは、寝室で夫を刺し殺してしまったのだ。ルチアは幻のエドガルドに「あなたを愛しています」と告げた後、息を引き取る。決闘の場であるレイヴンスウッド家の墓地で待つエドガルドの前に、ルチアの葬列がやってくる。ルチアの死を知り絶望したエドガルドは、その後を追うのだった。
※新型コロナウイルス感染症拡大予防対策を講じた新時代の生活様式に基づき、演出の一部を変更して上演いたします。
【公演情報】
新国立劇場2020/2021シーズンオペラ
ガエターノ・ ドニゼッティ『ルチア』
全2部(3幕)〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉
●4月18日、21日、23日、25日◎新国立劇場 オペラパレス
指揮:スペランツァ・スカップッチ
演出:ジャン=ルイ・グリンダ
出演:
ルチア:イリーナ・ルング
エドガルド:ローレンス・ブラウンリー
エンリーコ:須藤慎吾
ライモンド:伊藤貴之
アルトゥーロ:又吉秀樹
アリーサ:小林由佳
ノルマンノ:菅野 敦
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
〈料金〉S席27,500円 A席22,000円 B席15,400円 C席8,800円 D席5,500円 Z席(当日のみ)1,650円(全席指定・税込)
※ U25、U39優待メンバーズをご利用いただくと、S席5,000円(U25)/11,000円(U39)で予約できます。
〈お問い合わせ〉新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999
WEBボックスオフィスhttp://nntt.pia.jp/
※Webボックスオフィスでは、ご自身で座席を選びながらご予約いただけます。
〈公式サイト〉https://www.nntt.jac.go.jp/opera/lucia/
舞台写真撮影:寺司正彦(新国立劇場「ルチア」より)
Tweet