博多座『坂東玉三郎特別舞踊公演』合同取材会レポート到着！

2021/12/24 観劇予報博多座 , 坂東玉三郎　特別舞踊公演

坂東玉三郎が満を持して2022年2月に博多座に登場する。玉三郎の博多座の出演は、2017年9月『幽玄』公演以来で約４年半ぶり7回目。福岡・博多座にとっては待望の出演となる。

演目は『口上』『鶴亀』そして近松門左衛門作の『日本振袖始（にほんふりそではじめ）』となっている。出演者は坂東玉三郎はじめ、中村橋之助、中村福之助、中村歌之助、そして新派の河合雪之丞が参加する。

この公演についての合同取材会が行われ、玉三郎が演目や意気込みを語った。

《レポート》
冒頭の挨拶でまず玉三郎は、「大きな空間を持つ博多座には選りすぐりの演目を持って臨みたい」と笑顔で語った。

幕開けの『口上』は、玉三郎の舞踊公演では恒例となっていて、通常の口上に加えて衣裳の紹介などによりお客さまに楽しんでもらえる創意工夫が凝らされている。

『口上』©松竹

『口上』©松竹

玉三郎は「まず口上のために琳派風の屏風を作りました。何度も制作現場に足を運びました。」と強いこだわりを見せる。続いて「衣裳は、大阪松竹座、南座、御園座でそれぞれ違うものを披露してもうお見せできるものがなくなって」と笑いながらも「何かまた新しいものをご披露できれば」と語り「衣裳の披露に加えてさらに目新しいものをお目にかけられないだろうか、と考えています。」との構想を述べた。

『鶴亀』©松竹

続いての『鶴亀』は唐の時代の新年の儀式を題材にした能を歌舞伎舞踊にしたもので、若手歌舞伎俳優の中村橋之助、福之助、歌之助と共演する。3人に稽古をつけている際は、「３人で話し合って復習しなさいと言うと本当に仲良く話し合ってきちんと復習をする。とてもいい関係性ですね」と語った。

『日本振袖始』©松竹

『日本振袖始』については、「博多座の客席と舞台は大きな空間ですが、それを生かす演目だと思います」と玉三郎は語る。日本神話の素盞嗚尊（すさのおのみこと）による八岐大蛇（やまたのおろち）退治を題材をとった物語で、岩長姫実は八岐大蛇は、玉三郎はこれまで幾度もこの役を手がけている。素盞嗚尊は、交互出演で中村橋之助、中村福之助、稲田姫を河合雪之丞が勤める。

『日本振袖始』©松竹

玉三郎は「昨年12月に久々に歌舞伎座で、そして今年の8月に南座で演らせてもらいました。どちらもご好評をいただき、博多座の方からもぜひということだったのでそれでは！と」この演目が日本各地で好評を得ている要因として「現実世界から飛躍した題材で、後シテの華やかなものなのできっと喜んでいただけるのではないか」と語った。続いて「今までも博多座には選りすぐりの演目をもって臨んでます」と本公演に自信をみせた。

『日本振袖始』©松竹

最後に、久々に出演する博多座にご来場のお客様に向けての気持ちを聞いたところ、「私はいただいた目の前のお仕事を、日々をどう生きるかを大事に思ってます。現実に起きてる苦しいことを、時間と空間を区切って、上演中だけはお忘れいただける時間を過ごしていただけるよう最大を尽くします。出演者の皆さんと力を合わせてご来場いただくお客様に素晴らしい時間を過ごしていただけるよう勤めたい」と公演に向けて胸の熱い内を語った。

【公演情報】
「坂東玉三郎　特別舞踊公演」
2022年2月2日（水）～19日（土）博多座
休演日：9日（水）、14日（月）

一、口上（こうじょう）

口上　坂東玉三郎

二、鶴亀（つるかめ）

〈A日程〉
女帝　坂東玉三郎
亀　中村福之助
鶴　中村歌之助

〈B日程〉
女帝　坂東玉三郎
亀　中村橋之助
鶴　中村歌之助

近松門左衛門作
三、日本振袖始（にほんふりそではじめ）

〈A日程〉
岩長姫実は八岐大蛇　坂東玉三郎
素盞嗚尊　中村橋之助
大蛇の分身　中村福之助
大蛇の分身　中村歌之助
稲田姫　河合雪之丞

〈B日程〉
岩長姫実は八岐大蛇　坂東玉三郎
素盞嗚尊　中村福之助
大蛇の分身　中村橋之助
大蛇の分身　中村歌之助
稲田姫　河合雪之丞

〈料金〉A席18,000円　特B席15,000円　B席12,000円　 C席5,000円（全席指定・税込）
〈一般発売日〉2022年1月8日（土）
〈お問い合わせ〉博多座電話予約センター　092-263-5555
https://www.hakataza.co.jp/news/detail.php?id=1154