南座「三月花形歌舞伎」初日開幕!
京都・南座では3月2日に「三月花形歌舞伎」が開幕した。(13日まで上演)
歌舞伎の次代を担う、坂東巳之助、中村壱太郎、中村米吉、中村隼人、中村橋之助の花形俳優が競演し、春の京都を熱く盛り上げる。名作『番町皿屋敷』『芋掘長者』と、“恋”にまつわる二演目を、午前の部、午後の部で役替りで演じている。その初日の熱気溢れる様子が届いた。
両部ともに幕開きは、巳之助のアナウンスで観客を迎える。上演に先立ち、出演俳優の〈ご挨拶〉が行われる。午前の部、午後の部で出演者が異なり、午前の部は米吉と橋之助が花道より登場。米吉はユーモア溢れる巧みな話術で客席をあたため、橋之助との息もぴったり。午後の部は壱太郎、隼人が登場。午前の部も観劇した観客に感想をたずねると場内から盛大な拍手が送られるなど、午前の部とはまた一味違い、終始和やかな雰囲気で芝居へとバトンを繋ぐ。
昨年に引き続き、南座公式SNSで募集した歌舞伎に関する質問に舞台上で回答する企画もあり、一部写真撮影も可能となっている。
続く『番町皿屋敷』は、大正ロマンの時代に作られた岡本綺堂の新歌舞伎の名作で、身分を越えた一生に一度の恋を描く悲劇で、南座では51年振りの上演となる。
午前の部は隼人と壱太郎、午後の部は橋之助と米吉が青山播磨と腰元お菊を勤めている。終盤に近付くにつれ、客席は静まり返ると共に緊張感がピークに達し、各コンビの熱演が涙を誘った。
両部共に放駒四郎兵衛を勤める巳之助は、貫禄のある佇まいで、観客を圧倒。歌之助の並木長吉が町奴を力強く表現し、渋川後室真弓を勤める歌女之丞は強い存在感を見せている。
最後の『芋掘長者』は、岡村柿紅作の面白味のある賑やかな舞踊劇で、南座では70年振りの上演。花道から巳之助の藤五郎が登場すると、客席からは大きな拍手が。緑御前に恋焦がれ、友人・治六郎の助けを借りつつ、姫を嫁にもらおうと奮闘する藤五郎は、おかしくも愛らしく見える。
午前の部は壱太郎が腰元松葉、米吉が息女緑御前、隼人が魁兵馬、橋之助が友達治六郎を、午後の部は壱太郎が息女緑御前、米吉が腰元松葉、隼人が友達治六郎、橋之助が魁兵馬を勤める。
両部ともに歌之助の菟原左内、歌女之丞の松ヶ枝家後室がしっかりと脇を固める。滑稽なやり取りに終始笑いが絶えず、活気に満ち、心温まる一幕となっている。
【公演情報】
「三月花形歌舞伎」
●3/2~13◎南座
◎午前の部 午前11時~
〈ご挨拶〉
岡本綺堂 作
一、番町皿屋敷(ばんちょうさらやしき)
青山播磨 隼人
腰元お菊 壱太郎
並木長吉 歌之助
渋川後室真弓 歌女之丞
放駒四郎兵衛 巳之助
岡村柿紅 作
二、芋掘長者(いもほりちょうじゃ)
芋掘藤五郎 巳之助
友達治六郎 橋之助
魁兵馬 隼人
菟原左内 歌之助
松ヶ枝家後室 歌女之丞
腰元松葉 壱太郎
息女緑御前 米吉
◎午後の部 午後3時30分~
〈ご挨拶〉
岡本綺堂 作
一、番町皿屋敷(ばんちょうさらやしき)
青山播磨 橋之助
腰元お菊 米吉
並木長吉 歌之助
渋川後室真弓 歌女之丞
放駒四郎兵衛 巳之助
岡村柿紅 作
二、芋掘長者(いもほりちょうじゃ)
芋掘藤五郎 巳之助
友達治六郎 隼人
魁兵馬 橋之助
菟原左内 歌之助
松ヶ枝家後室 歌女之丞
腰元松葉 米吉
息女緑御前 壱太郎
〈料金〉一等席11,000円 二等席6,000円 三等席4,000円 特別席12,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉チケットホン松竹(10:00-17:00)0570-000-489 または東京03-6745-0888、大阪06-6530-0333
チケットWeb松竹(24時間受付)http://www1.ticket-web-shochiku.com/t/
〈公式サイト〉https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kyoto/play/742
【資料提供/松竹】
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