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加藤健一事務所が痛快喜劇の決定版『ショーマストゴーオン』を9月に上演!

加藤健一事務所の次回作は『ショーマストゴーオン』、9月1日~12日に下北沢・本多劇場で上演する。

本作は夢追うビンボーなショーマンたちの、汗と笑いとウソと涙の大奮闘劇。70 年前に書かれたジョン・マーレイ、アレン・ボレッツの典型的なドタバタ喜劇で、追い出しをはかるホテルと、一発逆転をねらう役者たちの攻防戦、底抜けの楽天主義で世の中の鬱屈を吹き飛ばす痛快喜劇の決定版だ。

原題『ROOM SERVICE』。これが書かれた頃のアメリカは、1929年の世界大恐慌から立ち直っておらず、国民の生活は貧しく、先行きの見えない灰色の時代。アメリカ経済が立ち直るためには第二次世界大戦に参戦し、武器生産の特需が求められている。日本は国際連盟脱退、ドイツ、イタリアとの三国同盟を締結、1937年に日中戦争、41年には太平洋戦争に突入という暗い時代。この年にブロードウェイのコートシアターで初演、61週、500回のロングランを成し遂げた。

成功の理由は、ただおかしくて、笑って、元気になった。というだけでなく、登場する役者たちが芝居を上演するために苦しみ、がんばり、襲い掛かる様々なピンチを知恵(常識はずれの知恵も)と演技力で切り抜け、芝居を上演し、成功させたところにある。

物語はすこぶる単純、貧乏な役者一座がホテルで新作の稽古、長逗留でつけがどんどん溜まる。芝居は成功間違いないと思っているが、スポンサーがなかなか見つけられない。ホテルからの追い出しもはじまる。追い出しされたくないがために、様々な駆け引き(ウソ)を駆使、役者だから演技はうまい。騙されるホテル重役……、そのうち嘘がバレ、再びピンチに陥る、という”無限ループ”に。

役者たちは夢と生活がかかっているので、とにかく必死。台詞のやりとり、絶妙な間合いなど喜劇の王道をいく作品で、1938年には、当時の喜劇スターであるチコ・ハーポ・グルーチョのマルクス兄弟の主演で映画化されている。加藤健一事務所では、1994 年に上演。(その時のタイトルは『It’s SHOW TIME!』) 今回は実に27年ぶりの再演となる。

辻親八 新井康弘 加藤健一 加藤忍

【コメント】
加藤健一
世界大恐慌の嵐が吹き荒れる中で「絶対に芝居の幕を上げよう!そして、一旦上げた幕は何としても下ろすまい!!」と、まさに命懸けで奮闘する愚かしくも愛すべき『ショーマストゴーオン』の登場人物たち。その力強い姿は、長引くコロナ禍で明日の糧を得ようと毎日必死で闘い続ける多くの人びとの心に、勇気と希望を与えられると信じています。まだまだ先の予測がつかない状況では有りますが、僕たちも舞台人として何としてもこの芝居の幕を上げるべく、細心の注意を払いながらも、最大のパワーを発揮して頑張ります。

新井康弘
藤健一事務所公演『ショーマストゴーオン』。稽古開始までにはまだ少々時間があり、日々心地よい不安を感じながら、舞台にどんな風が吹くのか、自分の声だけで台本を読んでいる今日この頃であります。“大柄な、口やかましい、威張り散らしている、五十歳の男。自分が重役である事を意識せずにはいられない性格”という役柄を演じるのですが、今のところ自分に備わっているのは大柄なところぐらい。共演者の皆さんの声を聴いて肌で感じて、どう出来上がるのか乞うご期待!

辻 親八
とにかく大声出して大笑いしましょう。多少差し歯が飛んでもかまいません。実際私は飛んだ事あります(笑)モヤモヤしたものは大谷選手のホームランのようにこの舞台を観て頂きぶっ飛ばしましょう。イエ~イ!

加藤 忍
この度、『ショーマストゴーオン』に出演させて頂く事が出来、心より感謝致しております。大変な社会状況の中、舞台を必死に創り、全力で幕を開けようと駆けずり回る登場人物に、今の自分、そして演劇人が重なります。いつの時代も信念を持って自らの使命を果たす人間の素敵さを、笑いと共にお届けします。「アーティストは必要不可欠であるだけでなく、生命維持に必要なのだ」とコロナ禍で断言したドイツの文化相。日本国民にも日本政府にも、そんな風に思ってもらえる芝居を創りたいです。

【公演情報】
加藤健一事務所vol.110
『ショーマストゴーオン』
作:ジョン・マーレイ アレン・ボレッツ
訳:小田島恒志
演出:堤 泰之
出演:加藤健一、新井康弘、辻 親八、奥村洋治(ワンツーワークス)、林 次樹(Pカンパニー)、土屋良太、伊原 農(ハイリンド)、千葉健玖(Studio Life)、加藤 忍、岡﨑加奈
●9/1~12◎下北沢・本多劇場
〈料金〉前売5,500円 当日6,000円 高校生以下2,750円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈前売開始〉7月18日
〈公式サイト〉http://katoken.la.coocan.jp/110-index.html
●9/18◎京都公演  京都府民ホール“アルティ

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