別役 実作、西沢栄治演出の新国立劇場『あーぶくたった、にいたった』開幕!
別役 実の作品を西沢栄治が演出する『あーぶくたった、にいたった』が、新国立劇場で12月7日に初日を迎えた。
本作は小川絵梨子芸術監督の提唱する長期のプロジェクト「こつこつプロジェクト」から誕生した。
演出家の・西沢栄治は、プロジェクトがスタートした「令和」という新たな時代に、「昭和」という時代とそこに生きた名もなき人々について思いをはせ、別役実がさまざまなかたちで描き続けた「小市民」シリーズ、なかでもこの『あーぶくたった、にいたった』に惹かれたという。
ネット上での承認欲求、自己発信だらけの現代において、もはや絶滅危惧種となった「小市民」の有様を見つめ捉えなおすことで、生活者レベルの日本人論にたどり着きたいとして、別役戯曲を鮮やかに立体化し、次世代にその魅力を伝えるために取り組んできた。
【あらすじ】
婚礼で幕が上がる。新郎新婦は、これから生まれる子どもとの将来を想像している。二人の会話の中で彼らの子どもはどんどん成長し、驚くべき結末を迎えてしまう。楽しい新婚時代から子どもが生まれ、落ち着いた結婚生活、そして老境へと。幾千万の名もなき人間が出会うであろう最終景、彼らの上にチラチラと雪が舞いはじめる・・・・・・。
【コメント】
演出:西沢栄治
まさかここまで長い付き合いになるとは。こつこつプロジェクトは一年間の試みでしたが、企画立ち上げから数えれば足掛け3年!いまではすっかり別役実のとりこです。そうして時間をかけた愛着のある芝居がやっと御披露目になるのですが、早く観てほしいのと同時に、いつまでも稽古していたいような、なんとも不思議な感覚です。あぁ、これが「こつこつ」の効能なのか。
共に歩んでくれたキャスト・スタッフには本当に感謝。舞台の上には彼らとチャレンジを続けた成果があります。あぁ、やはり早く観てほしい。
不条理劇? いやいや、そんなふうに難しく考えず、クスクス笑いながら別役さんの風に身をまかせてみてください。
【公演情報】
新国立劇場2021/2022シーズン演劇『あーぶくたった、にいたった』
作:別役 実
演出:西沢栄治
キャスト:
山森大輔/男 1 役
浅野令子/女 1 役
木下藤次郎/ 傷痍軍人 役
稲川実代子/ 女 2 役
龍 昇/男 2 役
●12/7~19◎新国立劇場小劇場
〈料金〉A席6,600円 B席3,300円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
*Z席1,650円、および高齢者割引(65歳以上5%)、障害者割引(20%)、学生割引(5%)、ジュニア割引(中学生以下20%)などの詳細は公式サイトにて確認
〈お問い合わせ〉
新国立劇場ボックスオフィス 03-5352−9999(10:00~18:00)
新国立劇場Webボックスオフィス http:/ / pia.jp/nntt/
〈公式サイト〉https://www.nntt.jac.go.jp/play/bubbling_and_boiling/
〈こつこつプロジェクトHP〉https://www.nntt.jac.go.jp/play/kotsukotsu/
【舞台撮影: 宮川舞子】
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