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初代尾上眞秀初舞台『音菊眞秀若武者』取材会レポート

寺嶋眞秀(女優・寺島しのぶの長男)が、いよいよ歌舞伎俳優・初代尾上眞秀として本格始動した!

2017年5月に歌舞伎座『魚屋宗五郎』の酒屋の丁稚役で初お目見得してから、これまで何度も舞台に出演している眞秀が、5月2日に開幕した歌舞伎座新開場十周年「團菊祭五月大歌舞伎」の昼の部、『音菊眞秀若武者(おとにきくまことのわかむしゃ)』で、初代尾上眞秀として初舞台を踏み、奮闘中だ(27日まで、10日・17日は休演)。

その公演を前にした4月中旬、都内で尾上眞秀の取材会が行われた。取材を受けるのは眞秀ひとり。たった10歳が1人きりで取材会を行ったことは、近年の記憶にはない。母・寺島しのぶも会場に同行していたが、取材陣の後ろで様子を見守っていた。

眞秀は「みなさんこんにちは。五月の團菊祭で(初代)尾上眞秀として初舞台をふむことになりました。どうぞよろしくおねがいします」と挨拶。最初は慣れないことに少し困惑した様子だったが、質疑応答を進めていくうち、自分のペースを取り戻していった初舞台を目前にしているが「緊張はしておらず、わくわくしている」という。

今は学校から帰宅後に数時間、稽古する。眞秀が演じる岩見重太郎の役は、最初は女童として登場する。前半は女方、後半は立役(男役)という、「兼ねる役者」の音羽屋らしい役だ。どちらが好きかと聞かれて「やりやすいのは男(立役)です」と答えたが、女方も嫌いではないという。

立役は祖父の尾上菊五郎に「たとえば立廻りは、音にのって動いたほうが変に見えない」というアドバイスをもらった。坂東玉三郎からも女方の指導を受けたそうで、「(女性の)しぐさを勉強して、その応用をしている」と言い、手をすべて袖に引っ込めて、片袖を胸元にもってくるしぐさを見せた。稽古で印象に残っていることを聞かれると「見るほうに肩が落ちるとか、ひざを使う」と実践的なポイントをあげた。

昼の部『音菊眞秀若武者』左より、岩見重太郎=尾上眞秀、長坂趙範=尾上松緑(C)松竹

作品の見どころは、「手下と狒々(ひひ)と飼い主と、3パターンで戦うところ」で、自分の役である重太郎については、「剣術使いなので、女方の踊りでもちょっと男(正体)を出したりするところや、女から男に変わるときの声とかしぐさを見てほしい」と語る。

昼の部『音菊眞秀若武者』岩見重太郎=尾上眞秀(C)松竹

演目名『音菊眞秀若武者(おとにきくまことのわかむしゃ)』には、自身の名前である「眞秀」の文字が入っている。「眞秀(まほろ)を“まこと”と読むのが、すごくかっこいいと思った」と嬉しそうだ。

憧れの俳優は、祖父の菊五郎で、「お客さまを楽しませるところが面白い。時代を感じるような、僕の知らないこと(ネタ)が出てきても笑っちゃったから、すごいなと思った」、祖父のようにお客さまを喜ばせる役者になりたいと目を輝かせた。やってみたい役は『弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)』の弁天小僧、菊五郎の当たり役だ。舞台の真ん中で、眞秀が弁天を演じる日を待ちたい。

昼の部『音菊眞秀若武者』(手前)岩見重太郎=尾上眞秀、(奥左より)長坂趙範=尾上松緑、趙範手下鷹造=坂東亀蔵(C)松竹

2月にフランス大使公邸で行われた会見でも話していたが、今の夢は歌舞伎俳優になること。いずれは海外、特にフランスで歌舞伎をやってみたいと目標を語った。シャネルのサポートにより制作された初舞台の祝幕も楽しみだ。

歌舞伎俳優の初代尾上眞秀として、正式に一歩を踏み出した「團菊祭五月大歌舞伎」の『音菊眞秀若武者』。ぜひ客席でその勇姿を見守りたい。

【公演情報】
歌舞伎座新開場十周年
「團菊祭五月大歌舞伎」
2023年5月2日(火)~27日(土)
【休演】10日(水)、17日(水)

◎昼の部 午前11時~

一、寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)

工藤左衛門祐経 梅玉
曽我五郎時致 松也
曽我十郎祐成 尾上右近
小林朝比奈 巳之助
大磯の虎  魁春

十二世市川團十郎十年祭
大佛次郎 作
守屋多々志 美術原案
二、若き日の信長(わかきひののぶなが)

織田上総之介信長 團十郎
木下藤吉郎 右團次
弥生  児太郎
平手中務政秀 梅玉

今井豊茂 脚本
尾上菊五郎 演出
三、音菊眞秀若武者(おとにきくまことのわかむしゃ)
岩見重太郎狒々退治
初代尾上眞秀初舞台

岩見重太郎 初舞台眞秀
弓矢八幡 菊五郎
局高岡 時蔵
長坂趙範 松緑
藤波御前 菊之助
大伴家茂 團十郎
重臣布勢掃部 團蔵
重臣二上将監 楽善
家老射水頼母 左團次

◎夜の部 午後4時~

一、宮島のだんまり(みやじまのだんまり)

傾城浮舟太夫実は盗賊袈裟太郎 雀右衛門
畠山庄司重忠 又五郎
大江広元 尾上右近
平相国清盛 歌六

萩原雪夫 作
守屋多々志 美術原案
二、春をよぶ二月堂お水取り達陀(だったん)

僧集慶  松緑
青衣の女人 梅枝
幻想の集慶 左近
堂童子 坂東亀蔵

河竹黙阿弥 作
三、梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう)
髪結新三

髪結新三 菊之助
弥太五郎源七 彦三郎
手代忠七 萬太郎
お熊  児太郎
家主女房おかく 萬次郎
家主長兵衛  権十郎
加賀屋藤兵衛  錦之助
後家お常   雀右衛門

〈料金〉1等席18,000円 2等席14,000円 3階A席6,000円 3階B席4,000円 1階桟敷席20,000円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈一般発売日〉4月14日(金)
〈お問い合わせ〉チケットホン松竹(10:00-17:00)ナビダイヤル 0570-000-489 または
または東京 03-6745-0888 大阪06-6530-0333
〈公式サイト〉https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/815

 

【取材・文/内河 文 写真提供(C)松竹】

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