再演が望まれた作品『かげぜん」来年1月に上演!
終戦間際の時代を描き、戦争のむなしさ、人としての意地や優しさ、血縁だけではない人と人との繋がりなど、現在でも色あせることのない、人の想いを紡ぎだしている骨太な作品『かげぜん』が、2020年1月に東京と兵庫で上演される。
本作は2010年に東池袋あうるすぽっとで上演。多くの観客の笑いと涙を誘い、上演直後から再演が望まれていた。今回はキャスト・スタッフを一新、さらにより良い作品を目指して、新たに紀伊國屋ホールと兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールにて上演する。
演出を手がけるのは映画監督の林海象。映像での繊細な機微をこの作品に持ち込み、舞台を観たことのない観客層へのアピールする。
主演の一人、天涯孤独の結婚詐欺師・神代大吾を演じるのは、ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリを獲得し、『仮面ライダードライブ』にて、チェイス/魔進チェイサー役で活躍した上遠野太洸。甘いマスクと陰りのある眼差しが色気となり、この作品を魅力的に彩る。
もう一人の主演、青森に住む純朴な河野たえ役と宮下時枝役の二役を演じるのは、元乃木坂46でモデルとしても活躍し、今年に入り舞台女優としても活躍中の相楽伊織。
また作品のキーポイントとなる盲目の未亡人は、脚本を読んだ途端出演を快諾し、誰よりも公演を楽しみにしているという斉藤とも子。
前回演出を手がけた脚本の増澤ノゾムは、今回は演出補そして俳優として参加。かつて読売演劇大賞優秀男優賞を受賞した実力派の増澤が、前回と違う役で挑む。
【あらすじ】
終戦間際の混乱期。詐欺師の神代大吾(上遠野太洸)は「目が見えず一人暮らしの造船王の未亡人」の「孫」になりすます話を持ち掛けられる。孫の証拠である“嫁から未亡人への手紙”を手に入れた詐欺仲間から、「年の頃もちょうどいいし、口もうまいし」と唆され、話に乗る大吾。
小野田みつ(斉藤とも子)は、小野田造船を一代で築いた夫が他界後、小さな家へ引っ越した。目を患い見えなくなった後も、住み慣れた家で淡々と暮らす日々。そこへ孫の正二が来ることになったのだが、やってきたのは正二のふりをした大吾。話の噛み合わないところを持ち前の二枚舌で乗り切り、何とか正二として家に入り込むことに成功する。
一方、詐欺仲間の酒場はガサ入れに合う。そこで、刑事の宮下(八神蓮)は大吾の名前を聞く。その行き先を執念深く追い始める宮下。彼には、体の弱い妹・時枝(相楽伊織)がいたが、詐欺師に騙され財産を失っていた。
大吾は小野田家に入り込んだものの、みつに振り回される日々。どこに金を隠しているのか、探ってもいっこうに見つからない。みつは、今度は嫁を世話すると言い出した。相手は正二の父の戦友・泰三(増澤ノゾム)の娘・たえ(相楽伊織)。いよいよ本気で逃げ出そうとする大吾の前に、たえを道案内してきた宮下があらわれる。
【コメント】
林海象
『かげぜん』、この戯曲のテーマは「信じる力」だと私は思います。戦争という不信の時代でありながら、この戯曲の主人公たちは、人をやたら信じます。そのような無垢な魂に信じらてしまった邪気な魂は、果たしてどう変化していくのか?そこがこの芝居の見どころです。
上遠野太洸
皆様、はじめまして。上遠野太洸と申します。
フリーランスとしては初の主演舞台ということで今までにない重圧を感じますが、戦時中の鬱屈したもの、それでも生きるという強さをしっかりと感じながら、皆様にもお伝えしていきたいです。最後までどうぞ、よろしくお願い致します!
相楽伊織
今までの作品とはまた違う時代や雰囲気なのでお芝居について色々学んでいけたらいいなと思います。私にとっては新しい挑戦でもあるのでとても楽しみです!
斉藤とも子
実は、おばあちゃん役が似合う役者になるのが夢でした。
初めての作・演出・共演者の皆様との出会い。そして、盲目のお婆ちゃん役。
若いみなさんと力を合わせて、何が生まれるのかワクワクしています。
【公演情報】
オフィス・REN プロデュース
『かげぜん』
演出:林 海象
作・演出補:増澤ノゾム
出演:上遠野太洸、相楽伊織/
八神蓮、増澤ノゾム、桜岡あつこ、椎名茸ノ介、織田あいか、梶野稔、佐藤みきと/
斉藤とも子
●2020/1/22~26◎紀伊國屋ホール
〈料金〉一般6,800円 アンダー22 5,000円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈発売開始〉12月7日(土)10時~
●2020/1/29~26◎兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
〈料金〉一般6,500円 アンダー22 4,800円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈発売開始〉12月10日(火)10時~
〈お問い合わせ〉オフィス・REN 03-6380-1362(平日12時~18時)
〈公式サイト〉http://o-ren.com/kagezen/