俳優・山崎一が主宰する劇壇ガルバ。第４弾は新作・実験公演『錆色の木馬』上演！

俳優・山崎一が主宰する劇壇ガルバが、11月13日～20日に三鷹のSCOOLにて、劇壇ガルバ第4弾公演、新作『錆色の木馬』を上演することが決まった。

若手劇作家・山崎元晴の書き下ろし新作戯曲『錆色の木馬』を、西本由香（文学座）が演出。劇壇ガルバの創立目的である、「キャストやスタッフが能動的に創作に関わり共に作り上ること」、その活動を推進すべく初の実験プロジェクトが立ち上がった。

山崎元晴　

主宰が提示した問題意識やテーマをベースにワークショップを重ね、若手劇作家・山崎元晴が新作を紡ぎ出す。演出は、着実にキャリアを重ね注目を集める文学座の西本由香が手がける。

西本由香

今回選ばれたテーマは、「老人とアイデンティティ」。高齢化社会において、日々退化する自分の肉体や思考力と向き合いながら、過去の自分と現実の自分とが交錯するひとりの男の姿を通して、テーマを掘り下げる。自分が属する、家族を含む団体、環境、居場所を失うことで、アイデンティティを見失うことは、もはや高齢者だけの問題ではなく、若年層の自殺問題も内包する現代日本が抱える普遍的なテーマである。

客席数42席という小さな劇場で上演することで、観客とその問題意識を共有し、アフタートークイベントでのディスカッション、事後アンケートなど立体的に実施。今後の公演につなげていく。

《あらすじ》
ある部屋の中、いつの間にか無くなってしまった私物を探し続ける一人の年老いた男。
と、突然扉にノックがあり、演出助手だと名乗る若い男が入ってきて、「本番1時間前です」と告げる。寝耳に水の老人は混乱しつつも、ずるずると本番直前の楽屋に引き摺り込まれていく。
演目は「リア王」？　1時間後には幕があく！？
深まる混乱の中、さらにもう一人の男が現れ、事態は複雑さを増していく。
「誰でもいい、教えてくれ、私は誰だ？」

本作は劇作家・山崎元晴が書き下ろすオリジナル作品であるが、2022年1月に劇壇ガルバが上演した『THE PRICE』の中で、山崎一が演じた89歳の骨董家具鑑定士「ソロモン」からも着想を得ており、独特の可笑しみと悲しみを放つ、俳優・山崎一が造形した人物像を発展させる試みでもある。
共演は劇壇ガルバのメンバーの大石継太と土屋康平。

大石継太　

土屋康平

《劇壇ガルバとは》
2018年11月、俳優・山崎一が旗揚げした演劇集団。キャスト、スタッフが能動的に関われる活動を目指し、山崎が信頼する俳優やスタッフに加え、オーディションにより新しい世代が加わる。旗揚げ公演『森から来たカーニバル』於：駅前劇場では、高橋惠子、高田聖子、大石継太などの出演で話題を呼んだ。2020年7月に予定していた第2回目の公演『砂の国の遠い声『はコロナ禍により中止になり、代替企画として劇場から大石継太、高田聖子ら共に、別役実作『門』を生配信。第3回目の公演は、吉祥寺シアターにて、アーサー・ミラー作『THE PRICE』を、髙田曜子の新訳、桐山知也演出で上演。大石、高田の旗揚げメンバーに堀文明が加わり、スタッフ陣に美術に堀尾幸男、照明に齋藤茂男らを迎え、約60年前に書かれた戯曲を現代社会に共鳴する作品として蘇らせたことで高い評価を得た。

【コメント】
山崎一
還暦を契機に劇壇ガルバを旗揚げして、早くも5年。別役実、アーサー・ミラーと敬愛する作家の名作を取り上げ上演してきましたが、第４弾は、実験プロジェクト。劇壇メンバーによるワークショップを通して新作戯曲を完成させていく試みです。作家の山崎元晴は私の息子で、自身が主宰する劇団での作品を中心に活動し、また劇壇ガルバでは旗揚げから、演出部に参加してきました。演出家の西本由香（文学座）さんとは、2018年のこまつ座『父と暮せば』で鵜山仁さんの演出助手として参加していて知り合いました。堅実で信頼できる若手演出家のひとりだと思っています。ふたりには、実験なんだから完成品を提出しなければいけないとは思わないでほしい、チャレンジ精神を決して忘れないでほしいと言いました。
１公演に40人ほどのお客様しか入らない空間で、みんなで創り上げていく作品は、果たしてどんなものになるのか！いまからワクワク、ドキドキが止まりません！！

【公演情報】
劇壇ガルバ『錆色の木馬』
作：山崎元晴
演出 ：西本由香（文学座）
出演：山崎一　土屋康平　大石継太
●11/13～20◎スクール（東京都三鷹市下連雀3-33-6三京ユニオンビル５F）
〈料金〉プレビュー公演：3,900円／11/14～16前半割：4,500円／11/17～20：4,500円（全席自由・税込）
〈一般発売日〉2022年9月17日（土）10:00～
〈チケット取り扱い〉チケットぴあ　https://w.pia.jp/t/sabiironomokuba/　＜Pコード＞514-407
〈配信情報〉11月16日（水）19:30公演生配信
視聴チケット：購入可能期間/アーカイブ視聴期間　11月30日まで生配信　視聴チケット3.000円
視聴場所：観劇三昧LIVE　https://v2.kan-geki.com/live-streaming/home
〈公演公式サイト〉https://gekidangalba.studio.site/

宣伝写真：photo by Takashi Kato