京都の実力派劇団トリコ・Aが4年ぶりの東京公演『へそで、嗅ぐ』!
京都を拠点に活動する劇団トリコ・Aが、新作『へそで、嗅ぐ』を、本年8月20日~23日にこまばアゴラ劇場にて上演する。
これまで童話や事件など物語の枠組みを借りながらも自伝的作品を作り続けてきたトリコ・A。主宰の山口茜が3年の歳月をかけて「障がいのある人」に取材し創作したのが、本作『へそで、嗅ぐ』。
山口は本作で会話劇に正面から挑みながら、自らも含めたマジョリティの持つ特権性を問い直す。作中に描き出されるのは、自分は差別をしないと思っている人でさえ、マイノリティの人たちを無意識的に排除してしまうこの社会の現状だ。
2021年に大阪・茨木で初演されて以来1年越しの延期上演となる東京公演では、実際に障がいを持つ俳優と創作を共にした初演時の経験をもとに、作品を大幅にアップデート。共生社会を目指しながら、今なお抱える差別の問題に対して、トリコ・Aは演劇作品で問いを投げかける。
【あらすじ】
へそは、昔も今もそこにあり、これからもあり続けるのです
古家隆子は、小さな町にある小さなお寺で、両親と共に暮らしている。彼女の定位置は大きな松の木のある庭に面した縁側。ある時は父の読むお経とともに、ある時は縫い物をする母とともに、彼女の毎日は過ぎていた。ある日、父が倒れ、お寺に妹一家が引っ越してくることとなった。看病で不在となった母の代わりに、隆子のもとにはヘルパーが派遣され、父の不在でにわかに権力を持った住み込みのバイトに友人の出入りを制限されてしまう。隆子の環境は本人のあずかり知らぬところでどんどんと変化していくが、隆子はただそれを、受け入れていた。ヘルパーが口を出すまでは・・・。
【コメント】
上演台本・演出:山口茜
2018年に障がいを持つ方とワークショップをさせていただいた時、みなさんが、障がい者としてではなく、1人の俳優として創作に参加したいと思っておられることを知りました。そして私自身、俳優を目指していた頃に、自分のままで俳優として必要とされることは難しいと感じ、ダイエットをしたりと、本来の俳優としての訓練ではない努力をしていたことをふと思い出したのです。そして過去の私を救うためにも、障がいを持つ人が、世間の決めた「属性」で判断されることなく、俳優訓練に邁進できる場を設けたいと思ったのです。
2021年、関西での初演を終えて、環境から障がいを取り除くことの難しさや、自分の無知や狭量さを思い知りました。手を差し伸べるつもりで取り組んだ公演で、奇しくも私は私の無力さと向き合うこととなったのです。
今回の公演では、前回の稽古場や本番で私の中に起きた現象を、物語の中に取り入れたいと思います。へそで、嗅ぐとはどういうことなのか。今も答えの出ないこのタイトルの意味を、是非確かめにおいでください。
【公演情報】
トリコ・A演劇公演2022 『へそで、嗅ぐ』
上演台本・演出:山口茜
出演 :豊島由香、福角幸子、高杉征司、芦谷康介、達矢、佐々木ヤス子、中筋和調、温井茜
●8/20~23◎こまばアゴラ劇場
〈料金〉一般/前売 3,500円 当日 4,000円 U30/前売 2,500円 当日 3,000円(全席自由・税込・未就学児入場不可)
*U30、高校生以下は公演当日要年齢証明書
*障がい者チケットをご予約の方は、身体障害者手帳、療育手帳、精神保健福祉手帳のいずれかを当日受付でご提示ください。
*車いすで観劇をご希望の方は『へそで、嗅ぐ』制作部までお問合せください
〈チケット問い合わせ〉カルテットオンライン https://www.quartet-online.net/ticket/heso2022
●託児サービス[ 要予約|無料・定員制 ]
対象公演:8月20日(土)13:00の回
対象年齢:生後3ヶ月から小学校入学前までのお子さま
予約方法:チケットのご予約後に、下記までお電話にてお申し込みください。
イベント託児・マザーズ0120-788-222(土日祝除く 10:00-12:00 13:00-17:00)
●ポータブル字幕機サービス(日本語)(要予約)[ 無料・限定数 (先着順) ]
上演中、セリフや音響の情報をお客様のお手元でご覧いただけるタブレットを貸し出しいたします。
対象公演:8月21日(日) 14:00/8月22日(月)19:00
予約方法:ご観劇日前日までに『へそで、嗅ぐ』制作部までお問合せ、またはチケット予約時に備考欄にてお知らせください。
※タブレットから光が漏れる都合上、最後列をご案内いたしますことご了承ください。