ミュージカル『のだめカンタービレ』上野樹里・三浦宏規 取材会レポート

ドラマ・アニメ・映画化された大人気コミック『のだめカンタービレ』が、2023年10月にシアタークリエにて初めてミュージカル化される。公演に先駆け取材会が行われ、主人公の“のだめ”こと野田恵役の上野樹里、エリート音大生・千秋真一役の三浦宏規が登壇した。

上野は2006～2008年のテレビドラマ、2009年と2010年の劇場版でのだめを演じており、まさに“のだめ”といえばこの人、という存在だ。上野は初舞台でミュージカルへの初挑戦となる。今作へ挑む思いを聞かれた上野は「ミュージカルになる、というのが想像つかない。未知の世界だが、歌い上げるというよりは、のだめがカンタービレするとどんなふうに歌うのかが面白いと思い、挑戦してみようと思った」と述べた。

三浦は5歳から始めたクラシックバレエで全国バレエコンクール入賞、その後ミュージカルをはじめとする様々な舞台で活躍を見せている。千秋役に決まったときの気持ちを聞かれると「いやあ、まさかでしたね」と笑い、「大好きな作品なのでミュージカルになることがまず驚きだったし、まさか自分が千秋先輩になるなんて夢にも思っていなかった。上野さんがのだめ役ということで、これが発表されたら『（千秋役が）玉木宏さんじゃないんかい！』と言われそうで怖いです」と苦笑いを見せた。

『のだめカンタービレ』という作品への思いを聞かれると上野は「長期に渡って関わることができた作品に、今またこうして別の形でのだめをやることになるとは想像していなかった。映像ではなく、生の舞台ならば役の年齢と違っても見せられるというところが挑戦だと思う。のだめとして楽しんで皆さんと再び会いたい」と語った。

クラシックバレエを通じてクラシック音楽に接してきた三浦に「思い出の一曲はあるか」という質問が飛ぶと、三浦は少し考え込む表情を見せ、「のだめの中にも出てくる曲ですが、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番がすごく好きで、中学生くらいの時はバレエのレッスンに通う電車の中で曲に合わせて振付を考えるのが好きだった」と、バレエに打ち込んでいたときのエピソードを明かした。

ここで原作者の二ノ宮知子からュージカル『のだめカンタービレ』へ向けたコメントが代読された。

『私は原作者は作曲者みたいなものだろうと思っています。私が描いたのだめカンタービレという曲が、アニメ、ドラマから、今度は舞台という新しいステージで、演出する方々が指揮者となり、ソリストである役者さんたち、舞台を作り上げる多くのスタッフさんが一丸となって、また新しい演奏を聴かせていただけるのだと、とてもワクワクしております。
そして天才的のだめソリストの上野樹里さんと、舞台で大活躍中の三浦宏規さんの、新しいのだめと千秋が見られるのが本当に楽しみです！
皆さま、どうぞ自由に、楽しく頑張ってください！』

これを聞いて上野は「私の『ぎゃぼー！』の言い方はあれでよかったのかな、とか思うけれど、そうなっちゃうんだからしょうがない(笑)。今回も自然に醸し出されるのだめを演じたい」と述べた後、三浦に向かい「千秋先輩についていきますのでよろしくお願いします」と頭を下げた。三浦は「“千秋先輩”と言われて（舞台上では）こんな顔にならないように気を付けたい」と照れ笑いを浮かべ、「“のだめが舞台でどんな景色になるのか、皆さんと模索しながら作り上げたい。二ノ宮先生に舞台版も成功したと思ってもらえるように頑張りたい」と意気込みを語った。

【公演情報】
ミュージカル「のだめカンタービレ」
原作：二ノ宮知子『のだめカンタービレ』(講談社『Kiss』所載)
演出：上田一豪
クラシック音楽監修：茂木大輔
出演：上野樹里、三浦宏規
●10月◎シアタークリエ
〈公式サイト〉https://www.tohostage.com/nodame/

【取材・文：撮影／久田絢子】