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マギー・マランの代表作『May B』11月に埼玉会館にて上演!

彩の国さいたま芸術劇場は10月3日より大規模改修のため閉館し、現在は浦和の埼玉会館に仮事務所を構え、業務を継続している。
その埼玉会館で11月に、劇場閉館後初のダンス公演、マギー・マランの『May B』を上演する。

1970年代後半よりフランスの「コンテンポラリーダンスの旗手」として、数々の衝撃作を発表し続ける振付家マギー・マランの代表作にして傑作『May B』。
初演は今から40年以上前の1981年。マラン30歳の時に発表された。それまでのダンスの概念「若く、美しい身体で踊る」ことを覆し、誰もが抱える不自由さや、誰もが迎える老いと無縁ではない身体を描く表現は大きな衝撃を巻き起こした。

マギー・マラン© Michel Cavalca

マギー・マランはクラシック・バレエのアカデミックな教育を受け、モーリス・ベジャールの学校ムードラにも学び、ベジャールの20世紀バレエ団で活躍するダンサーだった。
その後自身のカンパニーを設立し、27歳でバニョレ国際振付コンクールで優勝。そのマランが、従来のダンス表現に疑問を持ち、自身の表現として敢えて選んだのが、人間の身体の「不完全な」側面だった。当時としては過激とも言える表現を取り入れた『May B』は、以後コンテンポラリーダンスの旗手としてフランス・ダンス界を牽引するマランの代表作として、今なお世界中で上演を重ね続けている。

また本作は、20世紀ヨーロッパの演劇界に革新をもたらした劇作家、小説家サミュエル・ベケットの不条理演劇から着想を得て創られた。創作にあたってはベケット本人に会い、ベケットとその作品から多くを得たと語っているように、マランはベケット作品における身体性に着目。作中には多くの“ベケット的”な身体の要素が見られ、ベケット作品からの引用やインスピレーションをマランの独創的なダンス作品として表現した。

全身を白い泥のようなもので覆われたダンサーたちがぎこちなく動く身体で繰り広げる様々な人間たちの欲望や情動、孤独…。確かな目的地を見出せずに彷徨いながらも孤独と戦い、他者との関わりに絶望しないさまは、格差や分断が拡がる不確かな現代社会に生きるわたしたちに、今だからこそ迫るものがある。

初演から40年以上経った今なお、少しも色褪せることなく世界中で上演され続け、ダンス史にその名を確実に残す『May B』、今回はその傑作を目撃する貴重な機会となるにちがいない。

トレイラー https://youtu.be/LUrXcldVnow

 

【公演情報】
マギー・マラン『May B』
演出・振付:マギー・マラン
出演:カンパニー・マギー・マラン
●11/19・20◎埼玉会館 大ホール(JR浦和駅下車)
〈料金〉一般/S席6,500円 A席4,000円 U-25 (25歳以下対象)/S席3,000円 A席2,000円 メンバーズ一般/S席6,000円 A席3,600円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈チケット問い合わせ〉SAFチケットセンター 0570-064-939
〈WEB〉https://ticket.aserv.jp/saf/
〈公演公式サイト〉 https://www.saf.or.jp/arthall/stages/detail/94918/
●11/23◎北九州公演 北九州芸術劇場 中ホール

 

【舞台写真 © Hervé Deroo】

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