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歌舞伎座1月公演「壽初春大歌舞伎」第一部『壽浅草柱建』の取材会に尾上松也ら9人が登場!

左より中村鶴松 中村隼人 中村種之助 坂東巳之助 尾上松也 中村歌昇 坂東新悟 中村米吉 中村莟玉

歌舞伎座で12月30日、令和3年1月の歌舞伎座公演「壽初春大歌舞伎(ことぶきはつはるおおかぶき)」の第一部『壽浅草柱建』に出演する尾上松也、中村歌昇、坂東巳之助、坂東新悟、中村種之助、中村米吉、中村隼人、中村莟玉、中村鶴松の9名が取材に登場した。

令和3年は、1980年から続く浅草公会堂「新春浅草歌舞伎」が中止となったこともあり、毎年、尾上松也を筆頭に“浅草歌舞伎”を彩ってきた花形による『壽浅草柱建』が、歌舞伎座の第一部を飾ることになった。お正月に「曽我もの」を上演する江戸時代以来の伝統にならい、おめでたい華やかな「曽我もの」の舞踊を、今回の“浅草歌舞伎”出演者に合わせた形で再構成した。

○『壽浅草柱建(ことほぎてはながたつどうはしらだて)
初春にふさわしい舞踊で新年を寿ぐ作品。
主君の源頼朝から富士の巻狩の総奉行職を命じられた工藤祐経は、そのための仮屋の普請を行うこととなり、柱建ての儀式を執り行います。これに列座するのは、小林朝比奈をはじめ、傾城の大磯の虎や化粧坂少将たちに加え、工藤を親の仇と狙う曽我十郎、五郎兄弟。いきり立つ五郎を舞鶴や茶道珍斎、喜瀬川がなだめるところ、工藤は兄弟の父である河津三郎の最期の様子を物語っていきます。
最後は登場人物たちが七福神と鶴、亀の見立てとなって幕となります。

○配役と「新春浅草歌舞伎」出演歴
曽我五郎時致:尾上松也 2009、2013、2015~2020(6年連続8回)
曽我十郎祐成:中村隼人 2012~2020(9年連続9回)
小林朝比奈:坂東巳之助 2008、2012、2014~2020(7年連続9回)
大磯の虎:中村米吉 2012~2016、2018、2020(7回)
化粧坂少将:中村莟玉 2013~2019(7回)
喜瀬川亀鶴:中村鶴松 2009、2015、2016、2019(4回)
茶道珍斎:中村種之助 2012~2015、2018、2019(6回)
小林妹舞鶴:坂東新悟 2004、2011、2013、2016、2018~2020(3年連続7回)
工藤左衛門祐経 :中村歌昇 2012、2014、2015、2018~2020(3年連続6回)

【出演者囲み取材レポート】
歌舞伎座正面での集合写真撮影後、感染予防対策のため、発言者以外はマスクを着用、取材陣とも距離をとり、1階大間にて囲み取材をが行われた。大間は来月の公演に向け、正月飾りの準備が行われていた。

Q浅草ではなく、歌舞伎座で迎える1月について

松也 来年は浅草公会堂で上演することができない」というお話を聞いたときから、仕方ない事だと思いながらも、何かいつもの浅草メンバーでお正月にできることはないかとご相談をしてきました。浅草は今まで年始の大きな目標としてやって来ましたので、寂しい気持ちもありますが、今回歌舞伎座で、こういう形で浅草のメンバーでやるんだという事を外題(『壽浅草柱建』)にもいれていただけて、すごくありがたく思っています。

歌昇 1月を浅草で迎えられないのは寂しいですが、歌舞伎座に出させていただけるのは大変ありがたく思います。そして何より、こうして舞台に立てることが本当にありがたいことだと感じています。

巳之助 浅草で迎えられないのは本当に寂しいなと思いますが、歌舞伎座で外題に『壽浅草』と付けていただいて、この面々でさせていただけるのがありがたいことだと思いますし、拙いなりにも我々が何かひとつのものを築き上げてこられたのかなと思います。

新悟 この世代で、歌舞伎座で一幕勤めさせていただけるということに大変責任を感じております。本当に1日1日の舞台を大切に勤めていきたいという思いです。

種之助 お正月の歌舞伎座の最初の演目に出させていただけることはとてもありがたい事だと思います。

米吉  浅草メンバーで歌舞伎座の正月興行の序幕で出させていただけることは本当にありがたいことです。お正月の歌舞伎座公演は、(大間を見上げながら)大間の誂えからしても本当に特別な公演だなと改めて感じております。

隼人  浅草歌舞伎は高校生のときから9年連続で出させていただいていたので、1月は浅草で過ごすということが染みついていました。このように歌舞伎座に出させていただくのは嬉しい反面寂しい気持ちもあります。しかし、この浅草メンバーでいつかは歌舞伎座でなにかできたらいいね、という話をしたこともあったので、ある意味夢が叶ったという思いもあります。

莟玉 2013年から7年間浅草に出させていただきまして、今回こういったかたちで歌舞伎座の舞台にお兄さん方と出させていただけるのは大変うれしいなと思っております。歌舞伎座のお正月公演に出させていただくのも大変久しぶりですので、楽しみにしています。

鶴松 (この中では)浅草に出ている回数は一番少ないですが、こうして松也のお兄さんが声をかけてくださって、お正月から歌舞伎座の舞台に立てるのを本当にうれしく思っています。浅草で迎えられないのは寂しくもありますが、私たちがやることはどこの劇場に行ってもおなじだと思いますので、お客様に楽しんでいただけるようしっかり勤めたいと思います。

Q『壽浅草柱建』とお役について

松也  曽我物の舞踊としてお正月にめでたくご覧いただきたいです。五郎は何度かさせていただいていますが、おめでたさと力強さというところでは、今までとまた違った五郎というのを目指したいと思います。この中では年齢も上なので、みんなを引っ張っていけるような五郎をやれたらいいなと思います。

歌昇 工藤祐経をさせていただきますが、工藤といえば大先輩方が勤められてきた大きな大きなお役です。五郎と十郎をしっかりと受けきる度量の大きさが少しでも出せるようにしたいと思います。

巳之助 小林朝比奈を勤めさせていただきますが、道化の役として、ちょっとした可笑しみの振りもありますので、お客様に楽しんでいただけるように明るくできたらなと思います。

新悟  舞鶴というお役は、女方でありながら、男勝りな部分もあるお役です。世の中少し暗い部分もありますので見に来ていただいたお客様に心から楽しんでいただけるように、おおらかに華やかに勤めたいと思います。

種之助 みんな個性の違ったお役で、演目自体が華やかですので、お正月の歌舞伎座で歌舞伎を見たな、とお客様に明るい気持ちになっていただけたらいいなと思います。

米吉 大磯の虎ということで、来年は丑年なので干支を先取りしてしまったな、というような感じがありますが(笑)、いわゆる立女方というお役ですから大きさ、風格を出せるよう、少し背伸びをして先輩方の背中が見えるようなところにいきたいなと思います。

隼人 一度『娘七草』で勤めさせていただいたことのある和事の十郎をさせていただきますが、『寿曽我対面』の十郎も見てみたいと思っていただけるような十郎を勤められたらいいなと思います。

莟玉  化粧坂の少将は、2013年の浅草歌舞伎で勤めさせていただき、その時私は浅草初参加でございましたので、その時と同じ役にまたこうして挑戦できることもまたご縁だなと思っております。

鶴松 私はこのメンバー中では唯一『寿曽我対面』に出演したことがなので、分からないことがたくさんありますが、先輩方の胸をお借りして勉強していきたいと思います。

Q来年2021年の抱負

松也  まだどうなるか分からない日々が続くと思いますので、いつでも歌舞伎の舞台に出た時に力が発揮できるように、常に意識をして、公演が定まらないからこそ、良い充電期間にしていきたいと思います。

歌昇  できる限りのことを1日1日やっていくしかないと思っています。また、自分から発信することも大切だと思いますので、そういったこともどんどん挑戦していけたらと思います。

巳之助 本当にどうなるか分からない世の中ですが、歌舞伎の公演も出演させていただける機会は例年に比べて少なくなってしまうのかなと思いますので、抱負としては、「皆さまに忘れられないようにする」という1年にしたいと思います。

新悟  世の中の変化に適応しつつ、なにか好きなことを一つやっていけたらいいなと思います。

種之助 お客様に元気を与える立場ですから、自分の気持ちが負けないように、元気に生きていきたいと思います。

米吉 今年も元気に頑張ります。あ、あと2日ありましたね、来年も元気に頑張りたいと思います。(笑)

隼人 私ができることは舞台に立ち続けて、舞台を見たいと思ってくださる方を幸せにできるように精進することだと思っております。

莟玉  歌舞伎も8月に再開して、11月から桟敷席が販売再開になり、この1月からは2連番のお席が販売され、4部制から3部制になります。変わっていく日々を劇場のスタッフの皆さんと役者と一丸となって頑張りたいと思っております。

鶴松  私は25歳なのですが、ちょうどこれくらいの年齢にいろいろ勉強をさせていただいて力を蓄える時期だと思っていますので、来年はたくさん舞台に出てこの1年を取り戻せるような勢いで頑張りたいと思います。

歌舞伎座の大間での囲み取材ということもあり、最初は各自緊張感のある面持ちで、浅草で迎えられない正月に対して素直な気持ちを述べる姿が印象的だった……が、すぐに、毎年1月2日に浅草公会堂前で行われる鏡開きのときのように、笑顔溢れる姿を見せ、他の人の発言に頷き合ったり、茶々を入れたりと、和やかな雰囲気に包まれた囲み取材となった。

【公演情報】
「壽 初春大歌舞伎」
●2021年1月2日(土)~27日(水)◎歌舞伎座
休演日 12日(火)、19日(火)

■第一部 午前11時~
一、
『壽浅草柱建(ことほぎてはながたつどうはしらだて)』

曽我五郎時致 松也
曽我十郎祐成 隼人
小林朝比奈 巳之助
大磯の虎 米吉
化粧坂少将 莟玉
喜瀬川亀鶴 鶴松
茶道珍斎 種之助
小林妹舞鶴 新悟
工藤左衛門祐経 歌昇

二、
岡村柿紅 作
『猿翁十種の内 悪太郎(あくたろう)』

悪太郎  猿之助
修行者智蓮坊 中村福之助
太郎冠者 鷹之資
伯父安木松之丞 猿弥

■第二部 午後2時45分~
一、
坂田藤十郎を偲んで
今井豊茂 脚本
『夕霧名残の正月(ゆうぎりなごりのしょうがつ)』
由縁の月

藤屋伊左衛門 鴈治郎
扇屋夕霧 扇雀
太鼓持鶴七 亀鶴
同  亀吾 虎之介
同  竹三 玉太郎
同  梅八 歌之助
扇屋番頭藤兵衛 寿治郎
扇屋女房おふさ 吉弥
扇屋三郎兵衛 又五郎

二、
『仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)』
祇園一力茶屋の場

大星由良之助 吉右衛門
遊女おかる 雀右衛門
鷺坂伴内 吉之丞
斧九太夫 橘三郎
寺岡平右衛門 梅玉

第三部 開演時間が変更されます。
1月10日までは午後6時45分~
1月11日からは午後6時20分~(午後8時までに終演)

一、
『菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)』
車引

松王丸 白鸚
梅王丸 幸四郎
桜丸 染五郎
杉王丸 廣太郎
金棒引藤内 錦吾
藤原時平 彌十郎

二、
岡 鬼太郎 作
眠駱駝物語
『らくだ』

手斧目半次 芝翫
紙屑買久六 愛之助
駱駝の馬太郎 松江
半次妹おやす 男寅
糊売婆おぎん 梅花
家主女房おいく 彌十郎
家主佐兵衛 左團次

〈料金〉1等席15,000円 2等席11,000円 3階A席5,000円 3階B席3,000円  1階桟敷席16,000円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉チケットホン松竹(10:00-17:00)
ナビダイヤル0570-000-489
または 東京03-6745-0888 大阪06-6530-0333
またはチケットWeb松竹で検索
〈公演サイト〉https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/698/

 

【資料・写真提供:松竹】

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