【松永玲子の「今夜もネットショッピング」】調べ物

2020/03/12 松永玲子『今夜もネットショッピング』 / 日刊☆えんぶコラム , 連載 , 松永玲子

皆様、ご機嫌よう。
予想以上の社会になっております。
只今、劇団温泉ドラゴン『SCRAP』の稽古中ですが、上演できるかどうか未定です。未定でも稽古はどんどんしてますし、スタッフ打ち合わせも進み、稽古場には日々小道具が運ばれ、仮の衣装もたくさん掛かっております。
止めるも進むも負債を抱えるであろう温泉ドラゴンメンバーの心中察するに余りありますが、稽古場は爆笑に包まれております。
笑いがなくっちゃ、ね。

そんなドッキドキのギッリギリにある『SCRAP』は、1959年（昭和34年）の大阪城近くにあった在日コリアン集落＝通称《アパッチ部落》のお話です。アジア最大の兵器工場だった大阪砲兵工廠跡に埋れている金属を夜な夜な運び出す在日コリアン達。
私は俳優になる前、電機メーカーで営業ウーマンとして、大阪城周辺を担当しておりました。今では大阪砲兵工廠跡は公園になり、不法占拠とされたアパッチ部落も元の姿はなくなりましたが、営業先の裏の裏の方に彼等が生活していた街があったとは！
実話を基にしてます。
私は関西で生まれ育ち、在日コリアンについて学校で繰り返し習いましたし、在日コリアンの知人も多数いますが、もうね、知らないことだらけ。本を読み映像資料を観る。

これが読んだ本達。読みながら何度も「えー！」と声が出ました。驚きの内容。
『SCRAP』は演劇作品ですから、実話の再現ではありません、教材作品でもありません、あくまでもフィクションです。
先の見えない息苦しさを感じる現在、先の見えない息苦しい状況で物語の中の登場人物達がどう生きたのか。上演できる暁には、菌どもに細心の注意を払いつつ、ご覧頂ければ幸いです。当方、次亜塩素酸をご用意してお待ちしております。 お芝居の稽古で、よく「悲しい台詞を悲しそうに言うな」「辛い心情であろうシーンで辛そうな演技をするな」と言われますが、日々稽古場で大いに語り大いに笑う温泉ドラゴンメンバーを見て、その生の姿で演技の勉強をさせて頂いております。

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