【池谷のぶえの「人生相談の館」】第38回 盛隆二さんと森下創さんと安井順平さん(俳優・「イキウメ」)
むしろこっちが人生相談したい気持ち満々のコラム、「池谷のぶえの人生相談の館」です。
自粛生活も2ヶ月目に突入、徐々に解除されているところもあり、希望も持てますが。
イキウメ「外の道」の公演も、残念ながら中止となってしまいましたが、来年の同時期、同メンバーで公演ができるかもしれない希望がある状態です。
とはいえ、ソーシャルディスタンスの2mという壁ある限り、劇場という空間が以前のように稼働できるようになるには、まだまだ時間がかかることでしょう。
こうなったら、2mあけて客席をつくれば観劇が許される環境になったらすぐにでも公演をやらなければと思っています。小さなところから幕を開けなければ、いつまでも開かないような気がしています。
もともとは、演劇部やら劇団やら、なんにもないようなところからやってきたわけですものね。元気な心と身体があるなら、もう一回やればいいだけのことです。
ということで、いろんな映画や脚本などを調査する日々ですが、何かいい作品ありましたら、ぜひ教えてくださいませ。
さて、前回に引き続き、みんな大好きイキウメンズのみなさんからのご相談です。
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私は男子ですので幼少期の頃から戦隊モノ(だいたい5色のやつですね)には少なからず憧れがあります。
ですが、もはやここまできて戦隊モノになるのは難しいでしょう。いくらカレーが好きだったとしても。
さて本題です。所属劇団のイキウメには5人の俳優がおります。なので『演劇戦隊イキウメン』なる地球防衛戦隊だったとしたらそれぞれが何色になるのだろうか? が、気になって夜も眠れないか眠れるかで言われたら眠れないわけではないのですが。ええ。イキウメ俳優部5人だったら仮想地球防衛戦隊を組んでみても誰も怒らないんじゃないかなと。イキウメン全員と共演してる池谷のぶえ様に色分けしてもらって、仮想地球防衛戦隊を組んでこの気持ちを成仏させてもらえないだろうかと。どうかお力添えいただけないでしょうか。よろしくお願いします。
盛隆二さん(俳優・「イキウメ」)
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色には、それぞれのイメージがあるそうです。
例えば、
赤→生命力、行動力、元気、攻撃、怒り
青→理性的、誠実、冷静、慎重、信頼感
緑→平等、安全、社会性、我慢強さ
黄→明朗快活、希望、健康的、楽天的、好奇心
ピンク→円満、依存、優しさ、甘え
紫→神秘的、非現実的、優雅、高級感
白→純白、純粋、理想、幸福、真実
黒→重厚、力強さ、隠蔽、威圧、恐怖
など。
では、上記のイメージをイキウメンズのみなさんにあてはめてみましょう。
あくまで、現時点で私がイメージするみなさんです。
盛さん→生命力、怒り、誠実、信頼感、社会性、明朗快活、楽天的、力強さ
浜ちゃん→理性的、誠実、我慢強さ、健康的、好奇心、円満、神秘的、理想、
安井さん→怒り、理性的、慎重、好奇心、理想、隠蔽
創さん→行動力、安全、楽天的、純粋、神秘的
人衛くん→慎重、好奇心、非現実的
さらにこれを色に変換すると、
盛さん→赤赤青青緑黄黄黒
浜ちゃん→青青緑黄黄ピンク紫白
安井さん→赤青青黄白黒
創さん→赤緑黄白紫
人衛くん→青黄紫
となります。
ひとつの色に絞れれば問題はないのですが、まだまだみなさんを深く知れていない身として、とてもおこがましいように思います。
ですので、これらを混ぜた色が、いま私が思うみなさんです。
さあ、並んでいただきましょう。
演劇戦隊イキウメン!!
無印良品プロデュースなのでしょうか…。
いっそ、各々この色のスーツでいいのではないでしょうか…。
でも、敵を攪乱するにはうってつけの配色です。お互いをどう呼び合ったらいいか迷いますが…。
演劇戦隊イキウメンの敵がいったい何なのか、まずはそこから探らねばなりませんが、いざという時はこの無印良品スーツに着替えて、我々を守って下さいね!
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池谷のぶえさん、お疲れさまです。
のぶえさんとは東京芸術劇場「ゲゲゲの先生へ」で共演させていただき、大変勉強になりました。あの時も色々と相談に乗っていただきました。恥ずかしながら、今回も私の悩みを聞いて下さい。
5、6年前ぐらい前からなのですが、話し合いの最中に、無意識に「んーー」という声というか、音が口から出てしまうのです。この音は何かを考えている時に出るようで、議題が重ければ重い程音も大きくなります。自分には聞こえていなくてわからないのですが、大抵は携帯電話のバイブのような重低音らしいのです。たまに高め音もあるようで、モスキート音というのでしょうか、アレに近い音だとイキウメ劇団員から聞きました。最近では、音が大きくなり過ぎて流石に自分の耳にも届くようになり、驚いてビクってなります。話し合いの最中に。もう一度言います。無意識です。
このままでは申し訳なくて真剣な話し合いの場に参加できません。
のぶえさん、今後私は話し合い場でどうしたら良いでしょうか?
些末な相談で申し訳ないです。よろしくお願いします。
森下創さん(俳優・「イキウメ」)
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んーーーという音は、鼻を抜けて出る音ですよね。
ということは、鼻の穴を塞げば出なくなることは確かです。
何かを考えている時に出るというところまでは解明できているので、考えなければ出なくなることは確かなのです。
総合すると、「何も考えずに、鼻の穴をふさぐ」ことが、んーーの出ない最良の道でありますが、同時に拷問レベルですものね。
んーーは、具体的な言葉ではないですが、限りなく独り言に近いのではないでしょうか。
独り言の中には、「意味はないが、繰り返すことで集中できる」ものもあるそうです。
より難しい問題に対して集中して考える時に、創さんの中ではんーーが必要な状態になっているということのだと思います。
個人的には、すごく考えているように見えるしいいとは思うのですが、創さんも気になっているようなので、創さんのその独り言を一番知り尽くしているイキウメさんの会議などで、理想的な独り言に訓練していくしかありませんね。
んーーを突然言わなくするのも時間がかかると思いますし、まずは、自分がどれだけんーーを言っているかを自覚して、受け止める必要があると思います。
イキウメの会議中、創さんがんーーと言ったら、それを聞きつけた人はんーーポイントを貯めていきます。何ポイントか溜まったら、ビールをおごってもらうとか、何かしら小さな幸せを創さんからいただけるシステムです。
まずはこれで、どれだけんーーと言っているかもわかりますし、周りの方々もポイントを貯めることで、ちょっとした幸せが訪れます。
次に、んーーを別のものに変換していきます。これは、なるべく不真面目で恥ずかしいものが効果的でしょう。
へいへいへーい!
ポンポンポンポンポンポーン!!
ちょめちょめー!! ちょめちょめー!!
俺はキングだ!! キングだ!! キングだ!!
なんでもいいです。
あ! んーーが出る! もしくは出てた! という時に上記のような言葉に置き換えます。
いたたまれない気持ちになります。
創さんだけでなく、みんなもです。ひとりじゃないので、大丈夫です。
こうして、「もう、二度とんーーはしない…」と思えるかもしれません。
私もポイント貯めたいので、ぜひ次回イキウメ会議では、スタンプカード作って待ち受けます。
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のぶえさん、自粛期間中いかがお過ごしでしょうか? 私はお家時間を有意義に過ごそうと努力しましたが、自粛期間が長すぎて、自宅自体に飽き、引っ越しを考えたほどです。そしてそれは今もなお考えています。
さて、のぶえさんに人生相談していただけるチャンスをいただいたので、真剣に相談させてください。
今わたしは、人生最大のモテたい期です。モテ期ではなく、モテたい期です。思春期にわりと頻繁に訪れるあの感情です。私は46歳の今、完全にモテたい期に突入しました。まさかのこの歳にです。今モーレツにモテたいのです。異性に「なんかいいよね安井さん」と、たくさんの異性に言われたいです。ちなみに、私にモテ期が訪れたことはないです。記憶を辿れば20代の時にうっすらとあったあれがそうだったのかもしれないな、という程度です。モテ期というのは私にとってはファンタジーの世界として認識しています。彼女いない歴十数年、いよいよ仙人の域に達している状態でして、時にはいいなと思う人ができたりして、トークを重ね、途中までいい感じだぞとなり、この人かもしれんとなり、いざとなると急にモテないのです。いい感じの流れを無視して、NO成就でフィニッシュします。急にです。俺ではないという結論に至ります。思考停止します。これはつまり、デートしてる時はすでにモテてない状態だったのではないのかと。いい感じの時は一瞬モテただけに過ぎなかったのではと。モテを持続したいと。なんなら右肩モテ上がりしていきたいなと、願望だけが膨らむばかりです。いいなと思う人にモテないのです。最近ではいいなと思わない人にもモテてません。もちろん聞いたわけじゃないので私の肌感覚ですが。もういい加減にしてくれ!と私の中の私が叫ぶのです。モテ男YouTuberのチャンネルを見て、モテるためのレクチャーを色々と見漁りましたが、何を言ってるのかわかりませんでした。言葉では理解してるのですが、この男の言う概念が理解できません。
最近ようやく本格的にモテよう! と決めた矢先に自粛生活です。でも恋愛を自粛する気はございません。モテたいというと下衆な響きかもしれませんが、数多の女性から素敵な人と思われたい。その数多の女性の中から意中の女性を探し、恋愛し、人生の伴侶にしたいという思いは悪いことなんでしょうか? まずはある程度モテなきゃ話にならないのではないでしょうか? のぶえさん、ひっ迫してるこの状況がいいとは思えません。これだという答えがないのもわかってます。でも、たとえ数%でもモテる確率を上げたいです。
私の人間性や性格を知りうる限り思い出していただき、モテるための何かをご教授いただきたいです。よろしくお願いいたします。
安井順平さん(俳優・「イキウメ」)
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私が知る限りでの安井さんは、とても人当たりがよく、頭の回転もよく、会話も楽しく、理性的で、でもちょっと慎重で、安井さんだけが大切にしているものがたくさんありそうで、それを隠し持っていそうな…そして、ある時突然、安井さんの中にある安井スイッチによって、突然シャッターが閉まる感覚を受ける時があります。
お店に例えるなら、いつ開店してるか何時まで開店してるかわからないお店みたいな感覚です。
これはあくまで、まだ一度しかお仕事をご一緒していない私の勝手な感覚だけです、違っていたなら申し訳ありません。
しかし他に頼るすべがないので、この勝手な感覚を頼りに進んでまいりましょう。
人生最大のモテたい期とのことですが、「モテたい」ということは、「相手から来てほしい」ということですよね。
きっと安井さんも一般にいう「モテ」でいうなら、十分モテているのだと思います。安井さんのことを楽しくていい人だなと思っている人もたくさんいると思いますし、それこそ、ファンの方々もたくさんいらっしゃるでしょう。
しかし、安井さんにとっても「モテ」は、来てくれる相手が誰でもいいという状態ではなく、安井さんにとってちょっと嬉しい相手がたくさん来てくれるのが、安井さんの理想の「モテ」なのだと思います。
そうなると、安井さんの「ちょっと嬉しい」という範囲が広くなれば、とたんにモテてる期になるのです。
そろそろ人生折り返し地点ですし、今現在、地球はこんな状況ですし、いままでのセオリーを疑ってみるのもいい機会かもしれません。
安井さんがいままでシャッターを下ろすタイミングを、もう少し開けてみようか、あ、下ろそうとしているな…と意識するだけで変わってくると思います。
お店のシャッターを開けておく時間を、なるべく長くして、なるべく多くの人をお店に受け入れる、ということです。たまたまお店に来てくれる人は、もしかしたら二度と会えない人かもしれないのですし。
そうすることによって、確実に安井さんに近づきやすくなる人が増えます。おのずと、モテる確率も上がります。
そうしたうえで、好み、非好みでジャッジするのは、もうこれは本能ですからそれは安井さんにお任せします。
そして、これは実際にモテる知り合いが言っていたのですが、ジャッジの際は速さが勝負です。もう気になったら「好きだ」と思わない時点で、どんどん誘って会っていくのだそうです。そのうち自分の気持ちも整理できるので、時間の無駄がないそうです。
というか安井さん、モテについて私に相談すること自体、最大の間違いです。
私がどれだけモテないと思っているんですか。そんな私からの回答なので、決して信じないでくださいね。
ちなみに、私が時々読んでいる星占いでは、安井さんは、「5月末から9月頭、10月に恋愛運がよく、特に6月後半は、ミラクルな出来事が起こりそうです」とのことです。
ちなみに、私は4月から8月頃までバリバリに恋愛運がいいらしいのですが、この自粛生活で出会えやしません。いったいどうしてくれるんですか?
■ラッキー待ち受け
私の大好きな、生牡蠣が美味しいお店の看板です。
生牡蠣は美味しい「食べ物」だと思っていましたが、確かに「飲み物」という表現でもしっくりきますね。
現在の状況を超えたら、社会全体なりに、自分なりに、いろいろな概念を今一度振り返る必要が出て来るかもしれません。
盛さんの率いる演劇戦隊イキウメンの力、創さんの放つんーーの力、安井さんの大モテの力で、どうか新しい未来を明るく彩ってくださいませ。
■安井順平さん、盛隆二さん、森下創さん今後の予定
※2020年の公演は中止になりました。
楽しみにしてくださっていたみなさま、申し訳ございません。
2021年にお会いできることを、楽しみにしております。
イキウメ「外の道」
作・演出:前川知大
出演:浜田信也/安井順平/盛隆二/森下創/大窪人衛
池谷のぶえ/薬丸翔/豊田エリー/清水緑
【筆者プロフィール】
池谷のぶえ
いけたにのぶえ94年より04年の解散まで劇団「猫ニャー」の劇団員として活動。解散後は、ケラリーノ・サンドロヴィッチ作品、NODA・MAP、蜷川幸雄演出作品など数多くの舞台に出演。
[出演情報]
【舞台】
イキウメ「外の道」(作・演出:前川知大)
2020年5月28日(木)~6月21日(日) 東京芸術劇場シアターイーストほか、大阪・北九州・豊橋公演あり
http://www.ikiume.jp
【映画】
東映まんがまつり「映画 ふしぎ駄菓子屋 銭天堂 つりたい焼き」(監督:富岡聡)
近日公開
https://www.toei-mangamatsuri.jp
【テレビ】
NHK「LIFE!〜人生に捧げるコント〜」準レギュラー
https://www.nhk.or.jp/life/
▼▼▼今回より前の連載はこちらよりご覧ください。▼▼▼
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