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レイ・クーニーの傑作ロンドンコメディ『Run For Your Wife』1月公演が間もなく開幕!舞羽美海&十碧れいや インタビュー

2019年に山本一慶、ルー大柴ら魅力的なキャスト陣で上演された『Run for Your Wife』。イギリスの喜劇王レイ・クーニーが書いた、二重結婚をしているタクシードライバーのジョン・スミスが、事故に巻き込まれたことから、完璧にシフトされていた二つの家庭の過ごし方が狂ってしまい、なんとかその場を取り繕うとするあまりに、どんどん嘘が嘘を呼んで…という大人のシニカルさを含んだ、快調なテンポで綴られる会話劇のコメディだ。

そんな作品が、ジョン役の山本一慶、スタンリー役のルー大柴ら続投キャストに、新鮮なキャストを加えて更にパワーアップ! 昨年12月から2ヶ月連続公演を開催、1月公演がいよいよ13日から17日まで六行会ホールで上演される。

その舞台で、ジョンの東区東町の家に住む妻メアリー・スミスを演じる舞羽美海と、西区西通りに住む妻バーバラ・スミスを演じる十碧れいや。共に宝塚歌劇団出身で、しかも同期生の間柄である二人が、作品の魅力や、女優として初共演となる互いの魅力を語り合ってくれた。(※このインタビューは2020年2月に取材したものです。)

※公演はコロナ感染拡大の緊急事態宣言を受けて中止となりました。(2021年1/6現在)

十碧れいや 舞羽美海

書いてあることを忠実に演じることが大切

──今、感じていらっしゃる作品に対する印象から教えて下さい

舞羽 こんなにト書きが丁寧に書いてある台本って初めてだったんです。本当に全てを計算しつくされた台本なんだなと感じています。私は前回の上演を客席から拝見させて頂いたのですが、観ている側としては本当にテンポがよくて凄く面白い作品だなと、ただただ楽しく笑って帰っていったんです。勿論演じていらっしゃる方々は大変だろうな、とは思いましたけれども、実際に自分が演じるとなると、膨大な台詞量もそうですし、冒頭の二人のやり取りからこんなに大変だったんだ!とびっくりしました。ただ、とても素晴らしい本なので、書いてあることを忠実にやる事が一番大切なんだなと思っています。

十碧 私は前回の公演は観ることができなかったので、物語の内容を伺って「えっ?二重結婚!?」と、思いました(笑)。その後台本を読んで、登場人物それぞれが皆ピュアで、そのピュアさ故にどんどん面白くなっていく物語にすごく引き込まれました。この作品をやらせて頂けるのはとても光栄なことだと思いましたし、やっぱり冒頭の、同じセットの中に、二人の妻がいる部屋があって、しかも区切られた空間の中ではなくて、お互いが自然に行き来していくところが、ちょっとドキドキするなと思って。

舞羽 観ていても、ちょっとずつ違和感を感じていくところがあって。「えッ?あれ?ちょっと違う?」って。その導入の場面が、一番大切だなと思う。

十碧 すごく大事だよね。

──舞台の同じセットの中でだからこその面白さが冒頭からありますね。そんな中で、それぞれ演じる役柄についてはいかがですか?

舞羽 私が演じる東区に住んでいるジョンの妻メアリーを、前回の公演では宝塚歌劇団時代の同期生の花奈澪が演じていて。ピッタリだな!と思っていただけに、今回メアリー役でというお話を頂いた時には、これは大変だという印象がまずありました。ジョンへの愛故にメアリーは結構ヒステリーになって声を荒げたりするシーンが多くて、普段の自分と違う部分が多くて。でも、反対に違うからこそ役を思いっきり楽しみたいです。

十碧 私は、西区に住んでいるジョンの妻バーバラを演じますが、結構自分と似ているところがあるなと思っていて(笑)。バーバラは割とマイペースですし、目の前で様々なことが起こっているのに、最後の最後まで気づかなかったりするところなどはかなり似ているな!と。ただ、彼女のセクシーな部分、ジョンのことをベッドに誘ったりといった部分は未知の世界なので(笑)そこは色々研究しつつ、バーバラの純粋だけど色っぽいところを出していきたいと思います。

 

どちらかを選んで!と思っちゃう

──本当にどちらも好きなんだよ!というジョンについてはどう思いますか?

十碧 正直優しくない!どちらかを選んで!と思っちゃいますね。

舞羽 客席で観ていた時にも「何!?」って思いました(笑)ちょっと許せないですね。でも、色々お話を聞いていると、ジョンは優しすぎて選べないんだし、魅力があるから皆が放っておけない、というのもわかるんです。でもやっぱりこれが私生活だったら、絶対に許せないことですが、それがお芝居になっているから面白い、客観的に観ている分にはすごく楽しいので。

──前回の公演にご出演された男性陣からは「わからないでもないな~」という意見も多かったですが。

十碧 男性目線だ~!!(笑)

舞羽 理想なんですよね、多分!(笑)。まぁ、女性が同時に二人の男性を好きになるっていうこともあり得るとは思うんですけど、やっぱり相手の事を考えると、ずるいな~って思っちゃう(笑)。でも、ジョンが決して悪者じゃないっていうところが難しい。愛ゆえにというところがね。

十碧 憎めないんですよね。

舞羽 そうなの!だからこそ笑える作品にもなっているから。

──台詞の掛け合いで、どんどん意外な方向に転がっていくお話ですし。

十碧 それが難しいんです!もう台詞のやりとりのテンポが命なのに、それを止めたらどうしよう!っていう(笑)コメディ作品にも、あまり出たことがなくて!

舞羽 私もあんまりないの!

十碧 だからお互いに挑戦だなって思いますけど、ジョンの山本一慶さん、スタンリーのルー・大柴さんをはじめ、前回出られた方々が引っ張って下さっているので、そこに乗っからせて頂いて、作品の中で生きていきたいです。

舞羽 前回よりも全体の年齢が少し大人になっているので、また違う感覚に仕上がっていったらいいなと思っています。

よく考えたらお芝居を一緒にするのははじめて

──お二人は、宝塚歌劇団時代の同期生でいらっしゃいますが、今回女優同士としての初共演となりましたね!

十碧 出演者を聞いた時に本当に嬉しかったです!「みっちぃ(舞羽の愛称)がいる!」と思って。

舞羽 私も「あ!れな(十碧の愛称)だ!」と思って!一気に楽しみが増しましたし、安心感も大きかったです。やっぱり同期ならではの、この空気感というのが。私がずっと先に宝塚を退団していたので、スケジュールの都合で、れなのいる星組さんの公演をなかなか拝見できていなかったのもあって、ものすごく久しぶりだったんですけれど。

十碧 この作品の最初の取材の時に会ったのが、7年ぶりだったんだよね!

舞羽 そうなんです!それほど時間が経っていたのに、会った瞬間から全く違和感が無くて!

十碧 同期だな~って思ったよね。

舞羽 本当に同期だよね!しかも一緒に舞台に立つのは初舞台以来なんです!組も違っていましたし、よく考えてみたらお芝居も一緒にやったことないかもしれないという。

十碧 音楽学校の授業や、卒業公演として演劇も披露する「文化祭」でも絡みのある役をやっていなかったので。

──では、同じ舞台に立ったのは初舞台だけということに?

舞羽 そうなんです!

──初舞台ですと、お披露目の口上とラインダンスですものね。

舞羽 だから本当に台詞を交わすのが初めてなので、お互いここまで生きてきた時間がありますから、そのぶつかり合いが楽しみです。しかもれなには、男役さんを経験してきた人にしか出せない、女性の強さが表現できる魅力があるので、それも羨ましいですし。

十碧 私は女性としての所作などをみっちぃに教わりたい!

舞羽 何言ってるの!ちゃんと資格も取ったんでしょう?なんて言ったっけ?

十碧 「エレガンスマナーインストラクター」(笑)。男役しかやったことがなかったので、初めて女優として舞台に立った時に仕草がわからなくて。歩き方もつい大股で歩いちゃうし、と悩んで、「エレガンスマナー」の資格を取ったの!「立ち方」とか「拾い方」とか色々あるのよ。

舞羽 拾い方!?すごい!それ私、全然わからない!(笑)

十碧 様々な所作があって面白かったけれど、それを駆使しつつ、みっちぃにも教わりつつやりたいです。

時間の流れ方が変わり、自分自身も変わっていく

──宝塚時代のお互いの印象はどうですか?

舞羽 れなは華やかなんですよね。顔も華やかだし身長も高くて、やっぱり男役さんってカッコいい!と思っていました。お芝居で絡めたことはなかったんですが、ダンスのナンバー等には一緒に出ていて、もう自然に目がいくんです!やっぱり小さい娘役たちには出せないダイナミックさがあって「いいな~」と思っていました。星組の男役さんとして十年以上やってきて、組に絶対必要な存在になっていったのもすごいことで、華が溢れていましたね。

十碧 みっちぃは本当に若くして、雪組のトップ娘役さんになったから。研いくつの時だったっけ?

舞羽 研4(初舞台から4年目)。

十碧 すごいよね!!私達もまだまだ下級生の頃だったから「うちの期からトップ娘役さんが出た!」と、本当に誇らしく思っていました。でもだからこそ、私なんかには計り知れない大変な事や苦労が色々あっただろうなと思いますけど、そういうことは絶対に表に出さないし、同期がトップ娘役さんとして組を背負う立場にいるというのは、尊敬しかなかったです。

──そんなお二人が時を経て、女優さん同士として再会された訳ですが。

十碧 私はまだペーペーの一年生です(笑)。

舞羽 そんなことない!最初に出会った頃の印象は純粋で天然だな~というものだったので、バーバラ役にはぴったりだと思いますし、色気もちゃんとあると思う!色っぽいもの!

十碧 え?そうかな?頑張るね、色気(笑)

舞羽 大丈夫、大丈夫!

──十碧さんは、宝塚退団後、いま、資格も取られたというお話がありましたが、時間の使い方などは変わりましたか?

十碧 やっぱり現役の時と全然違いますね。宝塚では本当にありがたいことに、ひとつの舞台が終わったらすぐに次の舞台が当たり前のようにあったんです。でも外に出たら、それが本当にありがたいことだったんだなというのをすごく感じています。一方で、外では作品毎に色々な出会いや学びがあって、それがいま、とても新鮮で楽しくて、「舞台が好きなんだ」ということを、改めて実感しているところですね。

──舞羽さんは、女優としてキャリアを重ねてこられましたが。

舞羽 そうですね、女優として7年経って、宝塚時代の月日を超えたんです。研6で退団しているので。音楽学校で学んだ2年間は別としてなんですけど。そこから振り返ると、宝塚時代って365日、24時間芸名で過ごしていたんだなと感じます。何かの書類を書く時にも、普通に芸名を書いてしまう感覚で「えっ?私の本名ってなんだったっけ?」というような。でも外に出て、ここまでの月日が流れていく中で、プライベートでは本名に戻りつつ、お仕事の時は芸名の自分でという、良いバランスが取れるようになりました。退団したての頃は、もっとお仕事したい!もっと、もっと、と思うあまりなかなか難しいのもあったのですが、自分が歳を重ねたこともあるのか、すごく感覚が楽になってきて、一つ一つのお仕事や、物事に対する向き合い方が変わったなと思います。ただがむしゃらに必死でやっていたところから、緊張しつつもちょっと楽しんだり。そういう感覚がここ2、3年ですごく変わりましたね。

十碧 あーやっぱり先輩だって感じる!そういう話をもっと聞きたい!

舞羽 いやいや、そんな特別なことは何も無いけどね!(笑)。

 

やっぱり舞台が好きだ!という実感

──十碧さんは、退団された時から、表現活動は続けようと思っていらしたのですか?

十碧 退団した段階では、正直「もう舞台は十分やりきった!」と思っていました。男役でしたから、女優になるなんて難しいのではないかと、自分では思い込んでいました。

──皆さんからよく伺うのが、宝塚が好きなのかお芝居が好きなのか、ご自身の中でもわからない時期があったということなのですが。

十碧 それは私もありました。外で初めてお仕事を頂いた時にも「折角のお話なんだから、やらないよりはやってみよう」という感じだったのですが、一回出たらやめられなくなってしまって!(笑)やっぱり好きだ!舞台が好きなんだ!と思いました。

舞羽 楽しいよね、舞台!

十碧 楽しい!お客様の近くで空気感を感じられるのが嬉しいですし、すごく刺激になるから!やっぱりやめられない!って感じる自分がいると改めてわかりました。もう本当に舞台楽しいです!

──そんな舞台が大好きなお二人による、新しい『Run For Your Wife』を楽しみにしていますが、では舞台を心待ちにしていらっしゃるお客様にメッセージをお願いします。

舞羽 願望なんですけど、女性男性問わずいろんな方に観て欲しいなっていう気持ちが大きくあります。この作品は、ご夫婦が観る感覚と、カップルの人が観る感覚と、独身の人が観る感覚の違いがすごくあると思うので、老若男女問わず色々な立場の方がご覧になって、どこを楽しんで下さるのか、私自身是非教えて頂きたい!という気持ちもあります。これまでこんなに感情を露わにする役をやったことがなかったので、最初はただただジョンが心配で愛おしくて、というところから、信じていたものをひっくり返された時のメアリーの感情の激しさなどを表現していきたいです。本当に面白くできている本なので、前情報なくふら~っと観にきて、笑って楽しめる作品だと思いますので、是非気楽に色々な方に観て頂きたいなと思います。

十碧 私はこういうセクシーな役はもちろん、こんなに人を愛する役をやったことがないで全然カラーの違う私を見て頂けますし、キャストの皆さんとのお芝居の掛け合いを存分に楽しんで頂きたいです。宝塚を退団して、今も尚応援して下さる方がいらっしゃるというのが、なんてありがたいんだろうと、ひしひしと感じているので、その感謝の気持ちを、ちゃんと舞台の上でお返ししたいと思っています。初めてのコメディ作品への挑戦ですし、素晴らしいスタッフ、キャストの皆さんと精一杯素敵な舞台を創りますので、是非劇場にいらして下さい!

■PROFILE■
まいはねみみ○兵庫県出身。07年に宝塚歌劇団入団。11年から雪組トップ娘役を務め、様々な作品で可憐な魅力を発揮した。12年『JIN─仁─』『GOLD SPARK─この一瞬を永遠に─』で惜しまれつつ退団。以後は女優として活躍中。主な出演作品は、映画『マザー』『超高速!参勤交代リターンズ』、ドラマ『早子先生、結婚するって本当ですか?』『プリンセスメゾン』『山女日記~山フェスに行こう/アルプスの女王~』、舞台『道頓堀パラダイス~夢の道頓堀レビュー誕生物語』『ドリアン・グレイの肖像』『ダンス オブ ヴァンパイア』『Pukul』ミュージカル「陰陽師」~平安絵巻~『ダンスカンタービレ2018』システィーナ歌舞伎『新説諸国譚 TAMETOMO』怪談『怪談 牡丹燈籠』『大阪環状線~君の歌声が聴きたくて1985~ 天王寺駅編』『鬼滅の刃』『Fate/Grand Order THE STAGE -冠位時間神殿ソロモン-』

とあれいや○名古屋市出身。07年宝塚歌劇に入団。『さくら/シークレット・ハンター』で初舞台を踏み、星組に配属。12年『めぐり会いは再び2nd』で新人公演初主演、14年『アルカサル~王城~』でバウホール初主演を務める等、男役スターとして活躍。2018年『ANOTHER WORLD/Killer Rouge』で惜しまれつつ宝塚歌劇団を退団し、女優に転身。19年『暁の帝~朱鳥の乱編~』では主演を務め、その後も『終わらない世界』(2019年)、『モンテ・クリスト伯』『通りすがりのYouTuber』(2020年)などの話題作に出演する他、雑誌など幅広いジャンルで活躍中。

【公演情報】
ロンドンコメディ『Run For Your Wife』(ラン フォー ユアワイフ)
作◇レイ・クーニー
訳◇小田島雄志・小田島恒志
演出◇菅原道則
出演:山本一慶、舞羽美海、十碧れいや、安井一真、我善導、市瀬秀和、光平崇弘
/ルー大柴
●2021年1/13~17◎六行会ホール
〈料金〉9,400円(税込み・全席指定)
〈お問い合わせ〉アーティストジャパン 03-6820-3500
〈公式サイト〉https://artistjapan.co.jp/performance/re-run-for-your-wife/

 

【取材・文/橘涼香 撮影/山崎伸康】

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