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パワーアップして全国各地で上演!『蘭 ~緒方洪庵 浪華の事件帳~』藤山扇治郎・北翔海莉 インタビュー

築山桂の人気小説を原作に、松田健次脚本、錦織一清演出、岸田敏志音楽で2018年に初演、エンターテイメント性にあふれた舞台として大評判となった痛快娯楽時代劇『蘭 ~緒方洪庵 浪華の事件帳~』が、更にパワーアップして大阪松竹座をはじめ、全国各地でこの夏、上演される。

主人公である医術を志す若き日の緒方洪庵に藤山扇治郎。大阪の町を影で守る闇の組織「在天」の姫として生きる東儀左近に北翔海莉。共演に石倉三郎、久本雅美、渋谷天笑など達者な面々の力をかりて、笑いあり感動ありの一大娯楽作品に仕上がっている。

その公演の主役であり松竹新喜劇の将来を担うと期待される扇治郎と、宝塚歌劇団で星組トップスターを務め、退団後も女優として目覚ましい活躍を続ける北翔。作品と同じように別世界で活躍してきた二人が、同じ志を持って臨んだこの舞台は、二人にとっても記念すべきものとなった。そんな作品に再び挑む扇治郎と北翔に、全国公演に向けた想いを聞いた「えんぶ8月号」のインタビューを別バージョンの写真とともにご紹介する。

藤山扇治郎 北翔海莉

ミュージカル要素もある盛りだくさんな舞台

──大好評を受けての大阪松竹座をはじめ、全国での公演ということとなりましたが、初演で感じた手応えはいかがでしたか?

扇治郎 錦織(一清)さんの演出の力がとても大きなものでしたし、実在の人物の緒方洪庵に絡む様々な人々を演じるのに、これだけのメンバーが集まってくださったのはそうそうないので、ありがたかったです。舞台は1人ではできないものだと改めて強く感じることができました。特にそれぞれのキャラクターがとても面白く書き込まれているので、ご覧になって頂いて退屈する部分がないだろうと思える、素晴らしい作品だと思います。

北翔 私にとっては大阪松竹座、新橋演舞場の舞台に立たせて頂けた初めての機会でしたので、花道の使い方や三階席まである劇場空間で自分をどう見せるべきか? など、様々な勉強をさせて頂きました。何よりも座長が大汗をかきながら走り回っている姿から「良い舞台にしたい!」という想いを全員が共有してひとつになれたことが1番良かったと思います。また、ポスターは一見すると日本物なので、ミュージカル要素があるとは想像されにくいと思いますが、冒頭から扇治郎さんと二人で歌う「大阪ラプソディ」ではじまりますし「左近のテーマ」もあり、歌も踊りもある舞台なので、今回の再演も全国の皆様に楽しんで頂けると思っています。

「守るべきものがある」ことの大切さを全国に届けたい!

──扇治郎さんが松竹新喜劇、北翔さんが宝塚歌劇団と、それぞれ歴史ある劇団の舞台を経験されている訳ですが、お互いの出自に対して素敵だなと思っているところは?

扇治郎 舞台人だな! と思います。どう立ったらお客様にどう見えるのかを、本当によく知っていらっしゃるんです。やはり舞台って生ですし、映像と違って顔をアップにしてくれる訳ではなく、基本的にずっと頭から足の先まで見られている。その経験値の高さはすごいですね。今映像から入って舞台にも立つという方は多いですが、役者の中でも舞台一筋というのは、一部の方くらいで、板の上に立ってきた圧倒的な長さ故に、舞台の使い方が本当に上手なので、学ばないといけないところだと思います。

北翔 私は自分が花道、扇治郎さんが舞台にいて、言葉を交わした時の温かさに、自分がずっと客席から拝見して大好きだった新喜劇の世界の、心がじっくり温かくなるものを感じたんです。その時、改めてあぁ松竹新喜劇の方と共演させて頂けているんだと思いましたし、ずっと憧れていた世界だったのですごく幸せでした。

──そうしたリスペクトから人生のパートナーになられたお二人が、再び『蘭』の舞台に向かわれるのが本当に楽しみですが、では改めて意気込みをお願いします。

扇治郎 再演ではありますが新たな作品に臨む気持ちで、更に役を深めながら勤めていきたいです。また御園座と大阪松竹座の公演では本編のあとに全員役として出てくるフィナーレのような『蘭RANライブ』もご用意しておりますので、ご期待頂きたいです。

北翔 作品のテーマが「守るべきものがある」というもので、今回全国を回る公演なので、全国各地にそうした守るべきものが色々おありだと思います。作品を通して各地の方達がそんな大切なものに気づける場になったらと願っているので、是非皆様会場にいらして下さい!

藤山扇治郎 北翔海莉

ふじやませんじろう○京都府出身。「昭和の喜劇王」藤山寛美の孫で、伯母は女優の藤山直美。1993年歌舞伎座『怪談乳房榎』で十八世中村勘三郎(当時は勘九郎)の息子役として初舞台を踏む。大学卒業後、青年座研究所に入所、本格的に俳優としてスタート。13年松竹新喜劇に入団し祖父の当たり役を次々に挑戦。近年は自身で「若藤会」を立ち上げ新劇の名作にも挑んでいる。17年大阪松竹座『銀二貫』で初の外部舞台主演を務めたほか、NHK連続テレビ小説「まんぷく」にも出演。活躍の幅を広げている。平成27年度「咲くやこの花賞 演劇・舞踊部門」受賞。

ほくしょうかいり○千葉県出身。1998年宝塚歌劇団に入団。宙組、月組、専科を経て15年に星組トップに就任。16年11月『桜華に舞え』『ロマンス!!(Romance)』で退団。17年9月のミュージカル・コメディ『パジャマゲーム』で主演、女優活動をスタート。「~薔薇に魅せられた王妃~ 現代能『マリー・アントワネット』」、「藤間勘十郎文芸シリーズ其ノ参『恐怖時代』『多神教』」(主演)『蘭 ~緒方洪庵 浪華の事件帳~』(主演)『海の上のピアニスト』(主演)など。7月『藤間勘十郎文芸シリーズ其ノ四 怪談牡丹燈籠』、11月『海の上のピアニスト』再演への出演が控えている。

【公演情報】
松竹特別公演
『蘭~緒方洪庵浪華の事件帳~』
原作◇築山桂
脚本◇松田健次
演出◇錦織一清 
音楽◇岸田敏志
出演◇藤山扇治郎 北翔海莉、石倉三郎、久本雅美、渋谷天笑、上田堪大、丹羽貞仁、笠原章 ほか
9/21~23◎大阪松竹座〈お問い合わせ〉06-6214-2211

〈全国公演スケジュール〉
8/11◎戸田市文化会館〈お問い合わせ〉048-445-1311
8/17◎新庄市文化会館〈お問い合わせ〉0233-22-7029
8/18◎奥州市・前沢ふれあいセンター〈お問い合わせ〉0197-56-7100
8/24~25◎仙台市・電力ホール〈お問い合わせ〉022-225-2251
8/31◎松戸市・森のホール21〈お問い合わせ〉047-384-3331
9/1◎立川市・たましんRISURUホール〈お問い合わせ〉042-526-1311
9/5◎神戸国際会館〈お問い合わせ〉078-231-8161
9/7◎天草市牛深総合センター〈お問い合わせ〉0969-73-4191
9/ 8◎鹿児島市・宝山ホール(鹿児島県文化センター)099-223-4221
9/14~16◎名古屋市・御園座〈お問い合わせ〉052-222-8222
9/ 18◎金沢市・北國新聞赤羽ホール〈お問い合わせ〉076-260-3555
9/19◎岡山市民会館〈お問い合わせ〉086-223-2165

※御園座、大阪松竹座のみ特別ステージ『蘭 RAN ライブ』もあり 

 

【構成・文/橘涼香 撮影/中田智章】

 

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