荻田浩一作・演出の新作ショーTabloid Revue『rumor~オルレアンの噂~』開幕!
荻田浩一が作・演出を務める舞台、Tabloid Revue 『rumor ~オルレアンの噂~』が、1月10日より赤坂RED/THEATERで上演中だ。(19日まで)
宝塚歌劇団在籍当時は、ショーの名手として知られた荻田浩一が久しぶりに手掛ける新作ショーは「試着室で消えてしまった客」という都市伝説をイマジネーションの源泉にして、幾つもの場面が時にユニークに時にシリアスに展開するオムニバス作品。
彩乃かなみ、石川新太、宇月颯、大野幸人、中川賢(50音順)という、魅惑的な歌い手と傑出した踊り手の饗宴となり、洗練された猥雑と歪曲した優美が交錯する。
そしてさらにはゲストシンガーとして剣幸、月影瞳、ゲストダンサーとして小野妃香里、三井聡を迎え、摩訶不思議な都市の闇に妖しい光を灯す。
初日開幕に伴い、オフィシャル開幕レポートと舞台写真が届いた。
【開幕レポート】
華やかさに潜む毒──荻田浩一の新作ショー、絢爛に開幕
荻田浩一が作・演出を手掛けるショーステージ、Tabloid Revue『rumor~オルレアンの噂~』が1月10日、東京・赤坂RED/THEATERで開幕した。出演は彩乃かなみ、石川新太、宇月颯、大野幸人、中川賢がレギュラーメンバー。ここにゲストシンガーである剣幸と月影瞳、ゲストダンサーである小野妃香里、三井聡が日替わりで加わる。初日の10日は剣と三井が出演した。
『王家の紋章』『マディソン郡の橋』など数々の人気ミュージカルの演出を手掛けている荻田。繊細かつ独特の美意識で彩られた作品に定評があり、特にオリジナル作品で発揮する美しくも毒気のある世界は“荻田ワールド”と称され熱狂的なファンも多く持つ。『rumor~オルレアンの噂~』は、その荻田が久々に発信するショー作品。2008年まで在籍していた宝塚歌劇団でも数々の印象的なショーを作ってきただけに、ミュージカルファンからの注目度も高い舞台だ。
ステージは彩乃扮する女性が経営するブティックから始まる。気に入った服を見つけ、試着室に入った客・宇月はしかし、そのまま忽然と姿を消す……。1969年フランスのオルレアンで発生した都市伝説「オルレアンの噂」をモチーフに、ストーリー仕立てのショーが繰り広げられていく。消えた女性は一体どうなったのか。舞台奥にしつらえられた試着室のカーテンから現れ、また消えていくものは嘘かまことか――。幻想的な枠組みの中、粋なシーン、エキゾチックなシーン、キュートなシーン、時にはナンセンスで可笑しな展開も織り交ぜ、くるくると表情を変える舞台に、気付けば見入ってしまう。
キャストは全員、歌にダンスにと大忙し。彩乃は透明感のある歌声を響かせたかと思えばドスの利いた声も操り、圧倒的歌姫の存在感。宇月は宝塚時代から定評のある力強いダンスに加え、伸びのある声で宝塚楽曲から昭和歌謡まで披露。日本演劇界を代表する名ダンサーである大野と中川は惜しみなくその技を繰り出し、圧巻のパフォーマンスでステージを彩る(ふたりの歌声にも注目!)。最若手の石川も歌にダンスにタップに楽器演奏と幅広い魅力で舞台を支えていく。5人のプロフェッショナルの技術が掛け合わさり、無限の表情を見せていくステージ。ここに大人の色気を持った剣の歌声、遊び感たっぷりの三井のダンスが加わり、赤坂RED/THEATERという小劇場空間が、最高に豪華で贅沢な空間になっていく。
華やかさと少々の毒気に酔いしれていると、最後には人間心理の闇を暴く展開にヒヤリ。さながら絢爛の花の中、潜んだナイフがキラリと不気味な光を放つよう。異国のクラブのような猥雑さ、あるいは大劇場のレビューの華やかさ? 後味すら摩訶不思議なここだけのレビュー、上演は1月19日まで同劇場にて。
(取材・文:山岡祥 撮影:岩田えり)
【公演情報】
Tabloid Revue 『rumor ~オルレアンの噂~』
構成・演出:荻田浩一
音楽:奥村健介
出演:彩乃かなみ 石川新太 宇月颯 大野幸人 中川賢(50音順)
ゲスト出演:剣幸 月影瞳 小野妃香里 三井聡
●2020/1/10~19◎赤坂RED/THEATER
〈お問い合わせ〉atlas 03-6279-0545(平日12:00~18:00)
〈公式Twitter〉https://twitter.com/rumorred2020
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