オリジナルキャストの森公美子に朝夏まなとが加わった待望の再々演 ミュージカル『天使にラブソングを~シスター・アクト~』囲み会見レポート!
2014年の本邦初演以来、愛され続けるミュージカル『天使にラブソングを~シスター・アクト~』が渋谷ヒカリエ11階の東急シアター・オーブで上演中だ(12月8日まで)
『天使にラブソングを…』のタイトルで日本でも大ヒットした映画を、主演のウーピー・ゴールドバーグ本人がミュージカル化のプロデューサーとなって製作した、ミュージカル『シスター・アクト』。2009年にロンドン・パレイディアム劇場で開幕するや否や、各紙絶賛・連日スタンディングの大ヒット公演となった。その熱狂は世界を駆け巡り、2010年にドイツ・ハンブルグ、2011年には満を持してブロードウェイに上陸、トニー賞5部門のノミネートを受けるなどの快挙を達成した。そして2014年に待望の日本初上陸となった帝劇公演は、「一緒に踊ろうカーテンコール!」の大熱狂とともに連日満員の客席に笑いと感動が渦巻いた。2016年には早くも帝劇で再演され、2019年、新たなキャストを迎えての再々演の幕が、渋谷の東急シアター・オーブで華やかに開いた。
映画でウーピーが演じた歌手・デロリス役には、日本のウーピー・ゴールドバーグとの呼び声も高く、この作品の初演で帝劇初主演を果たした森公美子が続投。新たにWキャストとして元宝塚男役トップスターの朝夏まなと、という魅力的な競演が実現。デロリスの幼馴染で警察官のエディ役には初演以来の持ち役となっている石井一孝。冷酷なギャングのボスでデロリスの元恋人・カーティス役にはこちらも続投のダンスで魅せる大澄賢也に加え、今回Wキャストで今拓哉が新加入。カーティスの子分三人組には、続投の泉見洋平、KENTAROに加えて、『リトル・ウィメン』での好演の記憶も新しい林翔太(ジャニーズJr.)が加わり、更にパワーアップ。教会を取り巻くメンバーも、続投の春風ひとみはもちろん、未来優希と屋比久知奈のパワフルな歌い手が参戦。修道女たちをやさしく見守るオハラ神父役で小野武彦が新たに加わり、もちろん厳格な修道院長役は、初演からもうこの役柄はこの人しかいない!の絶妙な味わいを振りまく鳳蘭が務める。
圧倒的な音楽の数々は、『リトル・マーメイド』『アラジン』『美女と野獣』『魔法にかけられて』など、ディズニー映画の殆どの音楽を手掛けたアラン・メンケンで、ミュージカル版のために全て書き下ろした綺羅星の如きミュージカル・ナンバーと、『ウェディング・シンガー』『ラ・カージュ・オ・フォール』『ダンス オブヴァンパイア』など、盛り上がれるミュージカルの演出に才能を発揮してきた山田和也の演出が揃い、面白くない訳が無い!という強力な布陣での再々演となっている。
そんな作品の初日を控え、陽光降り注ぐ明るい東急シアター・オーブのロビーで囲み取材が行われ、デロリス役のWキャスト森公美子と朝夏まなとが登場。「一緒に踊ろうカーテンコール!」で使用される公演グッズである三色に光るペンライトを手に公演への抱負を語った。
【囲み取材】
──ご挨拶をお願いします。
森 『シスター・アクト』2014年からやらせて頂いております、デロリス役の森公美子でございます。是非皆さん観に来て頂きたいと思っております。一番びっくりしたのは渋谷の街がどんどん変わっているということで、しばらく渋谷でお芝居をしたことがなかったので、すごいね!こんなにまたたくさんの建物が建っちゃったんだ!と思って、それが一番驚きですが、ここのシアターオーブは色々な意味で面白いです。中から見て渋谷の街が一望できるという面白さもありますので、是非皆様いらしてください。お待ちしています!
朝夏 皆様本日はお忙しい中お集まり頂きましてありがとうございます。
森 あ、ちゃんとしてる!
朝夏 (笑って)デロリス役の朝夏まなとです。今回再々演から参加させて頂くということで、大先輩の森さんからたくさん学ばせて頂きながら、キャストもスタッフさんもとても仲良くワイワイと、この作品のように盛り上がっておりますので、早くお客様に観て頂きたいなと思っております。よろしくお願い致します。
──いよいよ公演ですが仕上がりの方はいかがですか?
森 これがですね、私全部ゼロになるんですよね。もう再々演なのにも関わらず思い出せないところがたくさんあって(笑)。シスターの方も新しく変わられた方が多いので、そういった意味で稽古もすごく多くて、その中の私自身の練習量が少し少なかったかなという反省があるのですが。なにしろワールドカップ、ラグビーがありましたからね、そっちの応援の方に行っちゃいましてね!
朝夏 (笑)。
森 ライブビューイングに行っちゃった時にはマネージャーから禁止令が出て、声を使い過ぎてしまったところがあったので!(咳払いをしながら)こんな感じで歌っていたこともあったのですが(笑)。そういう想いを込めて、ワールドカップが成功したので、是非この『シスター・アクト』もこの渋谷の地で根付いて成功したいなと思っています。
朝夏 私は少しお稽古に遅れて参加させて頂いたのですけれども、やはり初演以来の皆様の出来上がり具合に最初はびっくりして、これ大丈夫だろうか?という不安でいっぱいだったのですが、森さんが細かくタイミングとか全部教えてくださって、そこからよし頑張ろう!という気持ちになれてお稽古を重ねてきたのですが、皆さんが口を揃えて良い作品だよ、楽しいよ!とおっしゃっていて、早くそこに行きたいという気持ちでいました。でもようやくそれが少しずつ実感できるようになってきて、やっていて楽しいなと、すごく皆のパワーを感じる!というようになってきているので、徐々に仕上がってきているのかな?と。
森 もう可愛らしいの!
朝夏 いえ、そんなことないです!
森 昨日もねパーフェクトだったので「まぁちゃんパーフェクト!」と言いました。本当に私達お互いに助け合いでね。
朝夏 そうですね!
森 抜けるところをお互いにパッとフォローしながらやっていましたので。
──朝夏さんは『リトル・ウィメン』から一ヶ月もないところでの参加でしたから、覚えるのも大変だったのでは?
朝夏 本当に台詞量もすごいので!
森 そうなの、すごい量なので。『リトル・ウィメン』よりあるくらい?
朝夏 どうでしょう、同じくらいでしょうか。
森 踊りも激しいからね。
朝夏 そうですね。こっちの方が踊っているので覚えることは結構たくさんあったので。
森 私だったら絶対に無理です!三ヶ月下さい!っていうところだけど。
朝夏 モリクミさんはもう入っていらっしゃるから!
──『天使にラブソングを~シスター・アクト』と言ったらもう森さんというイメージがついていますが。
森 それは申し訳ないのですが、私のこの大きさが物語っているのだと思います。私はウィーピー・ゴールドバークさんの吹き替えなどもやらせて頂いてるので、こうやってご縁を頂いているのかなと。昨年やりました『GHOST』という作品もウィーピーさんの役をやらせて頂いておりまして、すごくご縁を感じてありがたいと思っています。でもやはり(朝夏を示して)手足の長い本当に綺麗な方がおやりになるというのが、「これ本当に同じ踊り?」って、皆「はっ?」と思うと思うくらい、ものの仕上がりが違います!
朝夏 いえいえ!
森 やっぱり宝塚のスターさんは違いますね!本当に素晴らしい。キメ方がバシッと決まる!私はキメきれずに「ブルブルブル…」と動いたりするので(笑)なかなか決まらないのですが、もう凄いんです!「まぁ様!」と言っちゃいたいくらい、見ていてカッコいい!と一番のファンです。
朝夏 すごいハードル上げるじゃないですか!(笑)
森 いえいえ、そうなんだもん!どこ見ても、どこ切っても本当に決まるんです!私はヨレヨレヨレとなってますけど(笑)。
朝夏 そんなことないです!
──宝塚の時にはないスタイルが今回の舞台にはありますか?
朝夏 そうですね、音楽のリズムの取り方が結構。ゴスペルなどを本格的にやっていた訳ではないので、今回アラン・メンケンさんの素晴らしい楽曲と共に音の感じ方が難しかったです。
森 アフタービートを感じるとか、モータウン系とかそういった音楽が入ってきたり、それでいて宗教曲も入ってきたり。やっぱりアラン・メンケンの音楽の世界って本当にすごいんだな!とやればやるほど感じますね。私はディズニーの作品の『リトル・マーメード』で初めてアラン・メンケンさんと仕事をしたのですが、本当にすごいです。歌の力というものを上手に引き出すんですよね。
──映画版の「天使にラブソングを」との違いは?
森 映画で使われた楽曲には版権がございますので、ミュージカル版はすべてアラン・メンケンさんの楽曲なのですが、それが映画で使われていた曲と違和感なくかぶっていくのがすごいなと思っていて。「あれ、映画と違うじゃん」というようなところがあまり感じられない。すんなりストーリーに入っていけると思います。
──手にしているライトはどういうところで使用するのですか?
森 良いところに振って頂けました!
朝夏 来ましたね!
森 これはカーテンコールで使うんです。カーテンコールで是非これをお買い求め頂きまして、一緒に振って頂けますとより盛り上がりますと!フリーで配っている訳ではなく、お買い求めいただかないといけなくて(笑)、制作陣が考えたことでございますが(爆笑)是非ご一緒にと!
朝夏 皆で一緒に歌っているところがあって!
森 そう、これが楽しいんですよ!以前に帝劇をはじめ色々なところでやらせて頂いた時には、二階席がガンガン揺れるくらい皆様が踊ってくださって、大丈夫かなとちょっと心配したくらい盛り上がってくださっていました。ここのオーブ様はとても立派な基本構造になっておりまして、いくら踊っても大丈夫とのことですので、是非皆様踊って頂きたい。私くらいのクラスの方も踊って頂きたいと思っています。
──今年もあと一ヶ月ちょっとですが、2019年はどんな年でしたか?
朝夏 あっと言う間でした!今年は本当にたくさんの舞台に出させて頂きまして、一つひとつ全然違うタイプの女性役に挑戦させて頂いた中で、今年の締め括りはこのデロリスということで、私自身初挑戦となる情熱的な生命力のあるお役なので、このデロリスを全うして2019年を締められたらなと思います。
森 素敵!私は昨年度からずっと舞台が休みなく入っておりまして『レベッカ』『レ・ミゼラブル』そして『シスター・アクト』につないできておりますので、本当に舞台からたくさんのお客様の声援を聞かせて頂いて、そこで栄養を頂いているという感じでした。ますます巨大化が止まりません!(笑)そんな素晴らしい一年でした。
──では最後にメッセージをお願いします。
朝夏 『天使にラブソングを~シスター・アクト』いよいよ開幕致します。私自身もこの作品が大好きです。素晴らしいキャストの皆様と一緒に盛り上がりたいと思います。でもこの作品はお客様が入ってから完成だと思いますので、皆様是非是非シアター・オーブにいらしてください!お待ちしております!
森 是非皆さん、この『天使にラブソングを~シスター・アクト』を観に来て、どんどん心の栄養を頂いてください!絶対に損することはごさいません。何かたくさん良いもの、温かいものを持ってお帰りになれると思いますので、是非この『天使にラブソングを~シスター・アクト』にいらして下さい!お待ちしています!
【公演情報】
ミュージカル『天使にラブソングを~シスター・アクト』
音楽◇アラン・メンケン
歌詞◇グレン・スレイター
脚本◇チェリ・シュタインケルナー&ビル・シュタインケルナー
演出◇山田和也
出演◇森公美子/朝夏まなと(Wキャスト)
石井一孝 大澄賢也/今拓哉(Wキャスト)
春風ひとみ 未来優希 屋比久知奈
泉見洋平 KENTARO 林翔太(ジャニーズJr.)
小野武彦
鳳蘭 ほか
●11/15~12/8◎東急シアター・オーブ
〈料金〉S席13.500円 A席9.000円 B席4.500円
〈お問い合わせ〉東宝テレザーブ 03-3201-7777(9時半~17時半)
〈公式ホームページ〉https://www.tohostage.com/sister_act/index.html
全国ツアースケジュール
●12/14~15◎富山・オーバード・ホール
●12/21~22◎静岡・静岡市清水文化会館 マリナート
●2020/1/2~6◎大阪・梅田芸術劇場様メインホール
●2020/1/9~10◎愛知・愛知県芸術劇場 大ホール
●2020/1/23~27◎福岡・博多座
●2020/2/1~2◎長野・まつもと市民芸術館
【取材・文・撮影/橘涼香 舞台写真提供/東宝演劇部】
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