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最強のREONが帰ってきた! 柚希礼音ソロコンサート『REON JACK 4』開幕!

宝塚歌劇創立100周年の祝祭を牽引した大トップスターであり、退団後は女優として様々な挑戦を続ける柚希礼音の大人気シリーズ作品であるソロコンサートの第四弾『REON JACK 4』が、本日9月11日東京・TOKYO DOME CITY HALLで開幕する(12日まで。のち、9月18日~19日・北九州芸術劇場大ホール、9月23日~26日・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで開催)。

2016年から3回に渡って開催されてきた『REON JACK』シリーズは、日本の音楽シーンを支える個性豊かなバンドメンバーの奏でるサウンドにのせて、様々なジャンルの実力派ダンサーが柚希礼音と共に繰り広げるハイレベルなダンスシーンと歌の数々が怒涛のように展開される、コンサートの枠組みを飛び越えたショーステージとして高い評価を得ている作品。

その待望の第4弾となる今回の『REON JACK 4』では、バレエ界の女王・上野水香(東京公演)。K-BALLET COMPANYのゲストアーティストとして、また俳優として活躍している宮尾俊太郎(北九州・大阪公演)。アルゼンチン・タンゴの名手クリスティアン・ロペス。様々なジャンルを踊り分けスーパーダンサーの異名もとるYOSHIE。そして作品のコレオグラファーとしても関わる柚希の盟友の大村俊介(SHUN)の豪華ダンサー陣が集結。更に『REON JACK』初の試みとなる、柚希ゆかりのスターたちが日替わりゲストとして登場する趣向もあり、更に進化したステージとなっている。

そんな作品の公開ゲネプロが初日を控えた9月10日に行われ、本番同様のホット&クールなパフォーマンスが繰り広げられた。

シルエットからはじまる粋な演出で柚希が登場するオープニングからステージはパワー全開。大村俊介(SHUN)、YOSHIEはもちろん、バレエ界の至宝上野水香とタンゴダンサーのクリスティアン・ロペスも、リズミカルでポップなダンスシーンに参加してくるのが『REON JACK』の特別感を一気に掻き立てる。

3年ぶりとなる『REON JACK 4』を作るにあたり、未だ出口の見えないコロナ禍のなか「観る人の心に温かいものを届けたいという思いが一番にあった」との趣旨をゲネプロ前の会見で語った柚希の願いが凝縮されている舞台は、超絶技巧の新たなダンスジャンルに柚希がスペシャルなダンサーたちと挑戦する前半と、コール&レスポンスで客席との交流をはかる後半という、これまでの『REON JACK』の大まかな構成を大胆に刷新。開幕してさほどたたない時点で、テーマ曲「REON JACK」が早くも飛び出してくるといった、柚希の創り出す温かくも華やかな世界が怒涛のように展開されていく。

特に、客席と舞台とが声を出し合うことが叶わない現状に合わせ、音で声援を表せるエッグシェイカーと、宝塚歌劇団時代に上演された武道館コンサートで客席を七色に染めたペンライトが、今回はトリコロールカラーのピンク、ホワイト、ブルーの三色で登場。客席を柚希の合図に合わせて色分けしたり、柚希の問いかけに色で答えるなど、コロナ禍の制約のなかで感染対策を万全にしながら、舞台と客席の意志疎通を図ろうとする様々な工夫が凝らされている。

また「新たなダンスジャンルに挑戦するという『REON JACK』のコンセプトは決して諦めず、尚、お客様にあたたかい気持ちになってもらいたい」(会見より)という柚希の想いが非常に良い方向に作用していて、挑戦と安心感と懐かしさの全てが、ステージのバランスを絶妙なものにしている。むしろ構成の流れの良さとしてはこれまでの『REON JACK』随一ではないかと思えるほどで、鏡を巧みに使った「Witch’s Mirror」、SHUNと踊る「六本木心中」、YOSHIEと踊る「Running Forward」と続くダンスシーンの変化にワクワクさせられる。やっぱり踊る柚希は最強だ!という気持ちがシーンを重ねるごとに高まる醍醐味は大きい。

その刹那に登場したのが12日の日替わりゲストの夢咲ねね。言うまでもなく宝塚時代の柚希礼音の相手役で、このコーナーの曲名は当日のお楽しみだが、こうきたか!と、思わず涙を誘う選曲が一気にあの祝祭に満ちた時間にタイムスリップさせてくれる。二人で踊れるものが多すぎて何を踊るかを検討した時「ねねはいまどのくらい踊れるの?」と訊くところから始まったという、柚希のざっくばらんなツッコミさえもが爽やかな愛に満ちていて、「ちえねね」と呼ばれた二人ならではのトークも楽しい。様々なヒロインを演じている柚希が自然にリードする男役に変身するのも、すっかり女優の顔になっている夢咲が瞬時にして「娘役」に戻るのも、この組み合わせだからこその妙味。甲斐翔真、佐藤隆紀、湖月わたる、東啓介、西川貴教が名を連ねる、日替わりキャストの面々とのこのコーナーがどう変化するのかにも、興趣を掻き立てられた。

そこから柚希が先ごろ発表した新譜CDの楽曲「PARTY!」からはじまる展開も場面ごとに全く変わる柚希の様々なパフォーマンスが楽しめる。上野水香とのドラマ以上のドラマとも感じられるダンスシーン「逢いたくていま」では、上野の突き詰めたダンス表現と共に、息もつけないほどの切ない緊迫感があふれる。この東京公演バージョンでは柚希が男性側を踊るが、宮尾俊太郎が登場する北九州・大阪公演では柚希が女性側を踊ることも発表されていて、これはなんとしても見比べたい!との思いが募った。

 

そんな流れから更に打ち続くダンスシーンのあと、柚希がタキシード姿で登場。『オーシャンズ11』の「愛した日々に偽りはない」が、表現力を増したいまの柚希の歌声として届けられたのは、もうほとんど反則技。そこからのクリスティアン・ロペスとのタンゴシーンが、どこか男性同士ともとれるユニセックスなムードで踊られたのも自然で、超絶技巧の連続に息を飲んだ。

最後は全員が『REON JACK 4』の揃いのTシャツ姿で、これも当日のお楽しみのスペシャルソングを披露。先頭をきって、チームを率いて、真ん中に立つことがやはり何よりも似合う、大スター「柚希礼音」とのスペシャルな邂逅はフィナーレとなった。

全体に「いまは会えなくても、ずっとそばにいるよ、私達の心はつながっているよ」とのメッセージに貫かれたショーに相応しく、9月12日17時の回(日替わりゲスト・夢咲ねね)の配信も決定。何よりも心をあたためてくれる、今だからこそ生まれ、ここから育っていく『REON JACK』の尊さを改めて感じさせてくれる唯一無二のステージだった。

【公演情報】
『REON JACK 4』
音楽監修:本間昭光
音楽監督:NAOTO
演出・振付:大村俊介(SHUN)
振付:辻本知彦(「辻」は一点しんにょう)、YOSHIE、Cristian & Nao
出演:柚希礼音
上野水香(東京公演のみ)、宮尾俊太郎(北九州公演・大阪公演のみ)
大村俊介(SHUN)、YOSHIE、クリスティアン・ロペス ほか
日替わりゲスト:(出演順)
東京公演:甲斐翔真(9/11)、夢咲ねね(9/12)
北九州公演:佐藤隆紀(LE VELVETS) (9/18,19)
大阪公演:湖月わたる(9/23,24)、東啓介(9/25)、西川貴教(9/26)
●9/11~12◎TOKYO DOME CITY HALL
〈料金〉S席11,000円 A席8,500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉チケットスペース 03-3234-9999
●9/18~19◎北九州芸術劇場大ホール
〈料金〉S席11,000円 A席8,500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉LAND 092-710-6167
●9/23~26◎梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場 06-6377-3888
〈料金〉11,000円(全席指定・税込)
〈公式サイト〉https://reonjack.com/

【ライブ配信情報】
9月12日17時(日替わりゲスト・夢咲ねね)
〈配信チケット料金〉
4.375円→Go Toイベント適用価格 3,500円
公演パンフレット付ライブ配信視聴券
6,875円→Go Toイベント適用価格 5.500円
※アーカイブ配信なし 開演30分後まで購入可能
〈チケット詳細〉https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2173001&afid=P94

【取材・文・撮影/橘涼香】

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