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シアタークリエ10周年記念公演ファイナル! ミュージカル『レベッカ』初日前会見レポート

2018年に10周年を迎えた東京日比谷のシアタークリエで、記念すべきクリエ開場10周年記念公演の掉尾を飾るミュージカル『レベッカ』が、本日1月5日に開幕する(2月5日まで上演)。

2008年に開場したシアタークリエは、その10年間の歩みの中で海外の新作のいち早い上演や、埋もれていた幻の作品に光を当てるなどの様々なチャレンジを続け、演劇界に大きな足跡を残している。そんなシアタークリエ発のミュージカル公演第一弾として上演されたのが、ミュージカル『レベッカ』だった。
原作は20世紀前半から活躍した小説家ダフネ・デュ・モーリアが1938年に発表した長編小説「レベッカ」で、1940年にサスペンス映画の巨匠アルフレッド・ヒッチコックによって映画化。広大な屋敷と土地マンダレイを所有する上流紳士マキシムと、アメリカ人の大富豪の世話係をしていた「わたし」が南仏で出会い、身分も年齢も越えて愛し合い結婚するが、「わたし」を待ち受けていたのは、マキシムの事故死した先妻「レベッカ」の面影がありとあらゆるところに残るマンダレイの屋敷と、屋敷を取り仕切る家政婦頭のダンヴァース夫人で…という、謎が謎を呼ぶゴシックロマンの傑作として愛され続けてきた。

その作品を2006年『エリザベート』『モーツァルト!』『マリー・アントワネット』『レディ・ベス』等々の大ヒットミュージカルを生み出したミヒャエル・クンツェ&シルヴェスター・リーヴァイのゴールデンコンビがミュージカル化。人間の愛憎から生まれ出る疑いや迷いを描き切った脚本と、登場人物の心理をダイナミックな旋律で綴った楽曲の数々が大評判となり、ウィーンでの初演からわずかに2年、世界で2番目の上演国として2008年にシアタークリエで上演された本邦初演は、約3ヶ月間の公演が全日程完売の大ヒットとなり、2010年には大劇場バージョンとして帝国劇場にて上演。その後も作品はヨーロッパ各国、また韓国でも上演され高い評価を得てきた。

 

そんなシアタークリエの歴史を拓いた作品が、10年の時を経て再びシアタークリエ開場10周年記念公演として帰還することになり、マキシム役の山口祐一郎、「わたし」役の大塚千弘という栄えある日本版オリジナルキャストに加えて、「わたし」役にミュージカル界での進境著しい平野綾、日本レコード大賞を2年続けて受賞するなど、アイドルグループのトップを走る乃木坂46のキャプテン桜井玲香が参加。また、ダンヴァース夫人には涼風真世と保坂知寿がダブルキャストで出演。シアタークリエ発ミュージカルの金字塔に新たな息吹を吹き込んで、昨年12月の東京 シアター1010でのプレビュー公演を皮切りに、愛知、福岡、大阪と全国公演を経て、いよいよシアタークリエでの凱旋公演の幕を開ける。

このシアタークリエでの初日を前に、主演のマキシム役の山口祐一郎、「わたし」役のトリプルキャスト大塚千弘、平野綾、桜井玲香が会見に臨み、公演への抱負を語った。

桜井玲香、大塚千弘、山口祐一郎、平野綾

【囲み会見】

──作品の見どころをお願いします。
平野 最初にこの『レベッカ』という作品を知ったのが私は小説からだったのですが、映画にもなっていますし、初演が10年前ということで本当にたくさんの方に愛されてきた作品だと思っていて。サスペンスの要素ももちろんあるんですけれども、その中で育まれる愛ですとか、見どころ満載だと思います。
山口 ミュージカルをご存知の方も、ミュージカルをご存知ない方も、何しろこの3人ですから、是非この3人がどういうことになるのか、むしろそちらの方が楽しみなのではないかな?とそんな風に思っています。
大塚 8年ぶりに「わたし」役をさせていただいたのですけれども、やりながらこんなにドキドキハラハラする作品だったのだなと。8年で大人になったので改めて思います。皆さんに新年から一緒に「わたし」の目線になっていただいて、ドキドキハラハラ楽しんでいただけるのではないかと思います。
桜井 ミュージカルの華やかさもありつつミステリーなのでストーリーが複雑で、色々なキャラクターの心情も混ざり合っていて、たぶん観れば観るほど毎回色々な感情になりますし、様々な目線で色々なストーリーが見えてくるような深いミュージカルになっていると思います。

──それぞれ意気込みをお願いします。
山口 意気込みの前に3人のエネルギーに圧倒されるので、できれば楽日まで生き残れるように(笑)、そんな意気込みで頑張ります。
大塚 やっぱり嫁が3人いるってことですよね!
山口 なかなかないことですからね。全く違う個性ですから。本当に芝居で良かったです(爆笑)。
大塚 私はやはりこの作品にはかなり思い入れがありますので、8年経った今また「わたし」役をやらせていただけるのは稀なことだと思うので、経験した分豊かにできるように頑張りたいと思って日々やっております。

平野 山口さんは「ミュージカル界の世界遺産」と言われているのをお聞きしていて。
山口 えっ?そうなんだ!(笑)
平野 そういう方の相手役をさせていただけるのも本当に夢のようなので、その時間を大切にしたいと思います。
山口 光栄でございます。
桜井 私は今回翻訳ミュージカルに初めて挑戦させていただいているのですけれども、皆さんにすごく助けていただきながらどうにか踏ん張って毎回舞台に立っているような状態です。東京公演も明日からはじまるということで、この機会に少しでも成長できるように頑張りたいなと思います。
──奥様の役が3人いらっしゃるということで、お稽古や公演を通して3人の方々との関係性などは?
山口 3人との関係性…これはやっぱり危ないですね。ここで一言、言ったが為に1ヶ月間公演が無事に済まなくなる(一同爆笑)、本当にあれさえなければというね(笑)。普段そんなに緊張しないのですけれども、3人が同じ衣装で同じウィッグをかぶって立っていて、そこに囲まれていて「成長する」ですとかね、「世界遺産」だとかいうお話を聞いていると、この1ヶ月、3人がどういうことを舞台上でなさるんだろうなと思いながら、ドキドキしながら、できればこれ以上のコメントがないようにと(笑)、思ってます。

平野綾

──「わたし」役の皆さんはいかがですか?
平野 昨年末から全国ツアー公演もやらせていただいて、ものすごく良い形で東京に戻ってこられたと思うので、この1ヶ月、魂を注ぎ込んで頑張りたいと思います。
大塚 この『レベッカ』は再々演になるのですが、場所が変わったりですとか、すべてのことがリニューアルされて新しい形になっているので、新作と言っても過言ではなかったので、3人で色々考えながら創っていました。それはもちろん山口さんにも皆さんにもご相談しましたし、3人だからできたこともあると思うので、それがすごく良かったなと思っています。
桜井 お稽古からこんなに素晴らしい方々とご一緒に毎日長い時間を過ごせて、ゼロから色々なことを教えていただいていて、未だに「これはやった方が良いよ!「これはこうだよ!」と教えていただき、本当にすごくお世話になっています。本番も緊張して緊張して「どうしよう」と思っている時も、山口さんが毎回優しい笑顔で緊張をほぐしてくださり、舞台上に出してくださっているので、素敵な方ばかりで、初めての翻訳ミュージカルが『レベッカ』で良かった!とすごく思います。

──2019年を迎えましたが、今年の目標は?
山口 最初に言ったように、このチャーミングな3人と『レベッカ』の舞台を楽日まで、3人の炎に燃え尽くされないように頑張りたいと思います。
平野 新年早々かなりヘビーな作品だと思うので、私も気をしっかり持って生き抜きたいと思います。
大塚 今年は猪年なので「猪突猛進」道を間違えずに。
山口 そうだね!
大塚 真っ直ぐ頑張りたいと思います。
桜井 普段はアイドル活動もしているのですが、今は余裕がないくらい、まず「楽日まで無事にやりきる!」が私の目標なので、ともかく『レベッカ』のことだけを頑張りたいと思います。

桜井玲香

──山口さん、大塚さんは初演からのご出演ですが、今までにはない今回の2019年版ならではの見どころは?
山口 10年前だからほとんど僕の骨も細胞も違うものになっていると思うので、存在自体が別ものになっている(笑)。
大塚 いいえ!
山口 また全く違う『レベッカ』に客席の皆さんとご一緒に出会えて、その時間を楽しめれば良いなと思います。
大塚 山口さんがおっしゃったように10年ってわりと長いですよね?
山口 はい!
大塚 生まれたての子供が小学3年生くらいになりますから!それくらいの月日が経っていて、同じ作品をこんなに時間が経ってやると、やっぱり人も変わりますし、感じ方も変わります。それは演出の山田(和也)さんも同じなのですが、携わってきた人たちも変わっているので、少し解釈が変わったり、より深くなるところがたくさんあるので、もっと深みを増した『レベッカ』になっていると思います。

大塚千弘

──では山口さん、最後に皆様にメッセージを。
山口 今日は1月4日でございますね?
大塚 はい、そうです!
山口 それでは4人で新年のご挨拶を!「明けまして」
4人 「おめでとうございます!」
山口 ということで、シアタークリエでミュージカル『レベッカ』をこの4人と、仲間たちと一緒に取り組みたいと思っています。どうぞ劇場の方に足をお運びください!お待ちしています!

 

〈公演情報〉
ミュージカル『レベッカ』脚本/歌詞◇ミヒャエル・クンツェ
音楽/編曲◇シルヴェスター・リーヴァイ
原作◇ダフネ・デュ・モーリア
演出◇山田和也
出演◇山口祐一郎、大塚千弘/平野綾/桜井玲香(トリプルキャスト)、石川 禅、吉野圭吾、今拓哉、tekkan、KENTARO、出雲綾、森公美子、涼風真世/保坂知寿(ダブルキャスト)ほか
●1/5~2/5◎日比谷・シアタークリエ
〈料金〉12,500円(全席指定・税込)
〈問い合わせ〉東宝テレザーブ 03-3201-7777(9時半~17時半)
公式ホームページ https://www.tohostage.com/rebecca/

 

【取材・文・撮影(囲み会見)/橘涼香 舞台写真提供/東宝演劇部】

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