真矢ミキ主演の傑作四人芝居『正しいオトナたち』共演に岡本健一、中嶋朋子、近藤芳正が出演!
ヤスミナ・レザによる四人芝居の傑作『正しいオトナたち』が、本年12月、東京グローブ座において上演される。 その共演として岡本健一、中嶋朋子、近藤芳正が出演することが決まった。
岡本健一は歌手、そして俳優として数々のドラマにおいて圧倒的な存在感を発揮。その表現力は舞台の世界においても遺憾なく発揮され、舞台『岸 リトラル』『ヘンリー五世』で第26回読売演劇大賞最優秀男優賞を受賞。本作で真矢ミキとは2004年の舞台『キャバレー』以来、15年ぶりの共演となる。
中嶋朋子は国民的ドラマ「北の国から」に1981年から2002年まで出演。以降、数々のドラマや舞台に出演。確かな演技力で国内外の名だたる演出家からも厚い信頼を得、幅広いフィールドで活躍をみせている。
近藤芳正は三谷幸喜氏作品の舞台に多数出演。以降、数々のドラマ、映画に出演。日本を代表する名バイプレイヤー。
そして本作の演出を手掛けるのは上村聡史。『アルトナの幽閉者』『対岸の永遠』など多数あり、『炎 アンサンディ』他での演出によって第22回読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞。さらに『岸 リトラル』で第56回毎日芸術賞・千田是也賞を受賞するなど、まさしく日本演劇界を代表する演出家の一人だ。
『正しいオトナたち』(原題Le Dieu du carnage)は2008年にフランスでレザ自身による演出で初演され、大ヒットを記録。同年3月にはイギリスの俳優レイフ・ファインズらの出演で、09年のローレンス・オリヴィエ賞演劇部門最優秀新作コメディ賞を受賞。同年ブロードウェイ版はトニー賞演劇部門最優秀作品賞のほか、最優秀主演女優賞と最優秀演出家賞の計3部門等、数々の世界的な名誉ある賞を受賞した。また11年にはレザとロマン・ポランスキーが共同脚本し、ポランスキー監督の作品として映画化している。
子供同士の喧嘩を発端にお互いの人間関係が浮き彫りになり、心の奥底にしまってあった憎悪が吹き出す。人間の怒り、憎悪が瞬間的に方向を変えるストーリーの巧みさは、まさにヤスミナ・レザの真骨頂でもある。
【ものがたり】
舞台はウリエ家の居間。ウリエ夫妻(妻ヴェロニック/夫ミシェル)とレイユ夫妻(妻アネット/夫アラン)が対峙している。“安全”と思われる公園で、レイユ家の息子が、ウリエ家の息子に怪我を負わせてしまったのだ。お互いを探りながら、冷静に話し合いは始まる。二組ともそれなりの家庭であるとの自負がある。ミシェルは小売業を営み、ヴェロニック(真矢ミキ)はアフリカの事情に詳しく本を執筆中。アランはやり手の弁護士で、アネットは資産運用の仕事をしている。レイユ夫妻は地位と裕福さを匂わすが、ウリエ夫妻は良識ある家庭を築いていることを強調する。そんな緊迫した話し合いのなかなのに、アランは携帯をはなさず、仕事の緊急事態に下品とも言える指示を出し続け、妻のアネットは次第に気分が悪くなり、ついには嘔吐してしまう。汚物にまみれる居間。そこから事態は、思わぬ方向に。お互いにホンネむき出しのバトルが始まります。もはや制御不能となった大人たち。これは果たして悲劇、それとも喜劇・・・。
【コメント】
真矢ミキ/ヴェロニック
今回、私にとってほぼ初めてに近いストレートプレイです。舞台自体も5年ぶりで、久しぶりの怖さもありますが、今はめちゃめちゃ楽しみです。やっぱり大人になって半世紀もすぎるとですね(笑)、だいたい一巡、二巡して何となく人生がわかってきたみたいなところに漂いがちですが、自分を律するためにもこの辺で逃げ場のない4人だけの芝居という環境にどっぷりつかりたいです。映像の瞬発力とは全然違う舞台で、久々に一冊の台本をしっかりと深く頭に入れ込むという作業をこれから苦しみ、楽しみたいと思っています。
今回の舞台『正しいオトナたち』はいかに大人が普段理性と共に隣り合わせで生きているかというところです。前頭葉が理性として止めるのですが、その前頭葉が崩壊していくという、、、どこまで大人ってギリギリに「大人」という言葉で立っていようとしているのか、一回りして理性がポンと取れた時に、果たしてそれは「大人越え」をしている何かが見えるのか、それとも長く生きた経験は一体なんだったんだと感じ、赤子のように戻ってしまうのか、それとも廃人と化して老人となってしまうのか、私はその辺がすごく楽しみです。
理性って我慢なのか、それとも正義なのかみたいなところが見どころだと思います。どこで共演者の皆さんがキレるのか、そしてどこでまた取り戻すのか、そういったことが毎日違うと思うので、日々敏感に感じとって演じていきたいと思います!
岡本健一/アラン
舞台『正しいオトナたち』は先ず、この作品名が色々な思いを物語っているような気がします。
二組の夫婦による、お互いの子供達が起こしたある喧嘩(事故?事件?)が発端になり、その親達がどのように解決して行くのが最善なのかを話し合う室内での会話劇になります。
これはどこの国でもどの時代でも、この日本でもよくあり得る出来事なのですが、そもそもその時その現場に居合わせていない人達の会話には、聞いた話しやイメージで行われてしまい、怒りや悲しみ、愛情や憎悪が渦巻いて、真実が何処にあるのかが全くわからなくなってしまいがちで、そのうちに真実がわかったところでそんなものはどうでもよくなる事が多々あり、そこには勿論、親が子を思う愛は存在しているけれど、思う気持ちや愛し方には家族それぞれの形があり、夫婦間の関係にもそれぞれの形があります。
このそれぞれの形が問題で、当人同士では日常でも他人からしてみれば異常であったり、一つの事に対する意識や考え方、発言の違いにも本人なりの理由があったりで、共感したり遺憾したりして、隠し取り繕いながらも抑えきれずに吐き出してしまうオトナたち。
正しいオトナたちは正しくないのか、正しいのかを考える事すら無意味に感じてしまう位に、白熱してしまうオトナたちの姿を最高に誇るべき演出家上村聡史がどのように私達四人の役者を正しく導いてくれるのか、 濃密な稽古時間を得て、劇場でお客様と共有する時間がたまらなく楽しみです。
深刻な話なのですが かなり笑えて面白いと思います。
劇場でお待ちしております。
中嶋朋子/アネット
この舞台はみんなの丁々発止といいますか、お互いのリレーションシップがセリフを介して、色々なものを勃発するところが面白いから、共演者の皆さんとはコミュニケーションをどんどん取って行きたいと思います。人の感情ってはたから見ると笑っちゃうことってあると思うんです。自分の中でマグマが煮えたぎったり、嵐が起きたりしても、ちょっと俯瞰から見るとそこまで言わなくても、それ言っちゃうんだとか、こういう可愛いところがあるんだとか、俯瞰でみて色々な発見ができたら面白そうだなと思っています。埋没しちゃうと感情の芝居って大変なので、ちょっと私自身は俯瞰して楽しみたいと思っています。
共演者の方々とご一緒できてすごくワクワクしています。すごい方々が揃っているので、お一人お一人のウィットとか、スキルとかそういったものを堪能できる舞台になると思います。それを大いに楽しんでいただき、何かスポーツ観戦とか、ファイティングを観戦するとか、アグレッシブなものを観に行くという感じで、誰を応援してもしなくても構わないので、ポップコーンを食べながらくらいの気持ちで見ていただけるものになればいいなと思います。
(演出の)上村さんはとても信頼している素晴らしい演出家さんです。多角的にものを見て、色々な表情が出てくるし、セリフ一つとっても色々な解釈の色が見えてくるようにお作りになられるかたなので、開けてみないとわからないという楽しみはすごくあります。どこに彼が楽しみを見出して、この作品をやろうと思ったのかとか、そのへんは後でのお楽しみにしたいという感じで、毎日毎日セッションをする中で、へーこんなところかとか、えーそんなところ掘るんだというところにいい意味で悶絶したいなと思います(笑)。
近藤芳正/ミシェル
この四人の絡み合いは今から想像したら楽しそうだなと思います。思いっきり喧嘩できますからね。楽しみにしています!普段の生活ではなかなか出来ないことが出来るので。ここまでの喧嘩はお芝居じゃないとできないですし。普段の僕自身は、まあー穏便に行こうとしますね。自分から波風を立たせにいこうというタイプではないです。
大の大人が喧嘩して、とてつもない姿をみせたりとか、心がぐちゃぐちゃになったりするのは、この舞台では子供のためというところから始まりますけど、私もこういうところで怒ったことがあるとか、黙って我慢したことあるとか、色々な感情がお客様皆さんの中で共通認識を持ってもらえると思います。私もあるあるあるという感じで、夫婦関係の愛だったり、隣人との関係性とか、国を超えた共通認識を持てる芝居だと思うので、そこはすごく面白いなと思います。
台本を読んで思ったんですけど、喧嘩できることは幸せなことだと思いました。相手に関心があったり、相手に愛があったりするからこそ、自分の考え方と違うから怒ったりイライラしたりする。相手に対して愛がないと喧嘩がうまれないですし、ただ黙って帰ればいいだけなのに、それをお互いに言い合うっていうのは愛の詰まったお話だと思います。
今回の舞台は綺麗な女優さんお二人がとてつもない姿を見せますし、キャスト全員の普段見られない姿を見られますよ(笑)。思いっきり喧嘩するとわけがわからなくなると思うので、そのわけのわからない姿を楽しんでもらえればと思います!
【公演情報】
『正しいオトナたち』
作:ヤスミナ・レザ (原題『Le Dieu du carnage』)
出演: 真矢ミキ 岡本健一 中嶋朋子 近藤芳正
●11/28・29◎東京先行公演 IMAホール
〈料金〉9,000円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈一般前売日〉2019年9月21日(土)
〈お問い合わせ〉Mitt 03-6265-3201(平日12:00-17:00)
●12/4◎◇名古屋 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
〈料金〉9,800円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈一般前売日〉2019年9月14日(土)
〈お問い合わせ〉メ~テレ事業 052-331-9966(祝日を除く月-金10:00~18:00)
●12/7・8◎◇兵庫 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
〈料金〉8,500円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈一般前売日〉2019年9月22日(日)
〈お問い合わせ〉芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255(10:00~17:00月曜休/祝日の場合翌日)
●12/13・24◎◇東京 東京グローブ座
〈料金〉S席10,000円/A席7,500円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈一般前売日〉2019年9月21日(土)
〈お問い合わせ〉Mitt 03-6265-3201(平日12:00-17:00)
〈公演HP〉https://www.tadashiiotonatachi.com
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