お芝居観るならまずはココ!雑誌『えんぶ』の情報サイト。

新橋演舞場公演 『ブラックorホワイト?あなたの上司、訴えます!』 真琴つばさ・愛原実花 インタビュー

「パワハラ」「ブラック企業」といった言葉が飛び交う現代、企業や働き方を巡る社会問題をとりあげたコメディ『ブラックorホワイト?あなたの上司、訴えます!』が、8月21日~25日の新橋演舞場公演を皮切りに、全国6都市で上演される。
作・演出は、映画『るろうに剣心』シリーズの脚本など、話題作を多く手掛ける藤井清美。主演は佐藤アツヒロ、共演には内博貴、真琴つばさ、八十田勇一、斉藤優里、愛原実花、福田転球、羽場裕一など豪華キャストが出演する。

物語は、あるリフォーム会社の本社に地方営業所の若手社員からパワハラを告発するメールが届いたことから始まる。告発されたのは営業所長の久保田(羽場裕一)、本社でエリート街道を進む倫太郎(佐藤アツヒロ)にとって、若き日の憧れの先輩だ。倫太郎は恩を返すために、名前を伏せて営業所に潜入。信頼する部下の中本(内博貴)の力を借りて真相を探ろうとするが……はたして久保田は黒なのか白なのか?
真相究明のために、他人になりすまして営業所に潜入した主人公が、表と裏を使い分けるキャラの強い社員たちに翻弄されるという、笑いの中にもシビアな社会批評を含んだ”お仕事コメディ”だ。

その作品でフリーランスのインテリアデザイナー、大徳寺万里を演じる真琴つばさ。そして営業所の社員の1人、小松美佐子に扮する愛原実花。ともに宝塚歌劇団出身で先輩後輩という間柄だが、今回が初共演。そんな2人に、この作品やお互いについて語り合ってもらった。

愛原実花 真琴つばさ

適材適所で密度の濃いカンパニー

──まず本作の台本を読んだ印象から聞かせてください。

真琴 すごく現代的でリアルな作品だなと。読みながら、これ最後どうなるの?どうなるの?と(笑)、そのくらい引き込まれました。台詞のテンポが良いし、出てくるエピソードがどれも「あるある」というものばかりで。本社の意向で支店が振り回されるところなど、どんな業種にもあるような話で、身につまされる方も多いのではないでしょうか。

愛原 お客様それぞれが思い当たるようなことが沢山出て来ますよね。観ていて絶対に誰かに感情移入できるお話だと思いました。

──役柄も皆さんに当て書きではないかと思うほどで、真琴さんはキャリアで勝負しているフリーのインテリアコーディネーターの役ですが。

真琴 私の役には、作・演出の藤井清美さんがご自身を投影されているらしいんです。演出家という仕事は、男とか女とか関係ない世界ですよね。

──インテリアコーディネーターという仕事については、どんなイメージを?

真琴 宝塚の後輩で退団してからインテリアを勉強している人もいるのですが、私自身はあまり知識がなかったので調べました。デザイナーもいればコーディネーターもいるし、二級建築士の免許を取っておくと仕事の内容ももっと広がるとか、なかなか興味深い世界でした。

──愛原さん演じる小松は、就職氷河期に当たった世代です。

愛原 その氷河期をなんとか生き抜いて、この会社に就職できたので、そこそこ頭の良い女性かなと。営業所の人間関係や状況なども見ながら、先を読んでいけるようなしっかりした人で、私とはちょっと違います(笑)。

真琴 小松も斉藤優里さんが演じる蕪木も、本当は出来る女性なのに、あまりそれを出さないようにしているのよね。これは企業の営業所の話ですけど、宝塚の女役の人たちも同じで、男役に自然に寄り添うために実はすごく努力してくれている。元男役としては、そのへんも「あるある」だなと(笑)。

愛原 さすが、わかってくださってます(笑)。

──共演の方々の印象はいかがですか。

真琴 私は本当に皆さんと初めてです。でもジャニ−ズの方とはこれまでも共演していますが、アツヒロさんとは初めてで・・・。でも、とてもステキな方だと聞いていました。お会いしたら本当に気さくで素直で、製作発表が初対面だったんですけど、アツヒロさんの手がすごく白かったので、「白い!私は黒くて」と見せたら、「うわっ黒い!!」って(笑)、素直すぎだよと(笑)。

愛原 (笑)。私は『ザ・オダサク』など内博貴さんと何度か共演させていただきましたが、他の皆さんとは初めてですので、どんなお芝居をされるのか楽しみです。

真琴 個性的ですごく適材適所のキャスティングよね。出演者は11人と少人数ですけど密度の濃いカンパニーになると思います。

 

二枚目男役なのに面白いというギャップ

──お二人は新橋演舞場へは何度も出演していますね。

真琴 私はみなこちゃん(愛原の愛称)のお父様、つかこうへいさんの『幕末純情伝』で坂本龍馬を演じたのも演舞場で、もう10年以上前になります。最近はミュージカルが多くて、『ブラッドブラザース』とか『にんじん』とか。今回は現代劇で私たちの日常のような芝居だから、それが演舞場でどんなふうに見えるのかなと。

愛原 携帯とかコンビニとか台詞に出てくるんですよね。そういうお芝居が演舞場にかかるのはあまりないことで。昨年末に『るろうに剣心』に出演させていただいたのですが、時代劇でしたから劇場の雰囲気も日常とは違っていて、空間全体でエンターテイメントの世界に入り込んでいる気がしました。

真琴 日常と新橋演舞場がどう溶けこむか、楽しみですね!

──お二人は宝塚の先輩と後輩ですが、愛原さんは真琴さんのファンだったそうですね。

愛原 学生時代から宝塚ファンで、とくに真琴さんが大好きで、「真琴つばさ」という千社札を勝手に作って、文房具に貼ったり。

真琴 えーっ。

愛原 すみません(笑)。お年玉を貯めてスチール写真やビデオを、当時はカセットビデオで10,000円ぐらいしたんです。でも私が宝塚音楽学校に入る前の年に、真琴さんは退団されて。

真琴 すれ違いだったんだ?

愛原 そうなんです。

──真琴さんはセンスがよくてカッコいい男役トップスターとして、絶大な人気を誇っていましたね。

愛原 カッコ良くてユーモアがあるんです! 月組は笑いのクオリティが高いと評判の組で、そのトップさんなので、いつもコメディというか楽しい場面があって。

真琴 なかったよ?

愛原 『愛のソナタ』とか。

真琴 真面目な恋愛ものだったよ?

愛原 女装して出ていらっしゃったり。

真琴 (笑)真面目にやってたでしょ?

愛原 はい。だからよけい面白くて(笑)。

──そういう真琴さんの遊び心を観客も期待していたと思います。

真琴 銀橋(エプロンステージ)の場面では、よくアドリブ入れたりしてましたからね。

愛原 そうなんです!すごい二枚目男役さんなのに、笑いのセンスもよくて、そのギャップ萌えでみんなとりこになって(笑)。真琴さんは本当にレジェンドなんです。

現代社会に1つボールを投げかける作品

──真琴さんがつかさんの演出を受けて、印象に残っていることは?

真琴 いちばん感じたのは、周り中の男性がつかさんを崇拝していることで、宝塚の男性版みたいだなと(笑)。演出家としては、すごく厳しいけれど演者にすごく愛情を持っていらっしゃるのは伝わりました。そして台詞を口だてで付けられるんですが、それは他では経験できないことでした。それから、宝塚の新人公演を観に行くからと稽古が休みになったことがあって、娘さんをすごく愛していらっしゃるんだなと。舞台への愛も深い方でしたけど、それと同じぐらい家族にも愛情を持っていらっしゃることがよくわかって、よきパパでありよき演出家だったんだなと。

──愛原さんは、つかさんの弟子を自認する錦織一清さんの作品に何度も出ていますね。つかさんについて話を聞く機会も多いのでは?

愛原 はい。錦織さんの父への愛をいつも感じます。私は宝塚を退団して女優の仕事をすることになって、錦織さんや真琴さんをはじめ色々な方から父の話を聞かせていただくたびに、この仕事をしていてよかったなと。父を身近に感じられるので、ありがたいなと思います。ちょうど退団公演の最中に亡くなって。

真琴 公演中だったんだ。それはつらいね。

愛原 そのまま、父のことをゆっくり考える間もなく来てしまったなという想いがあるので、こうして皆さんから色々なお話をうかがうことで、欠けていたピースを埋めていけるのがとても嬉しいんです。それに大抵の皆さんが、ちょっと言葉を濁しながら、ひどい人だったとか(笑)、しごかれたとか(笑)、言ってくださる。それもとてもありがたいと思います。

──この公演中にも色々思い出話ができそうですね。最後に改めて、この『ブラックorホワイト?』のアピールをぜひ。

真琴 現代社会に1つボールを投げかける作品だと思います。パワハラという言葉が出てきますが、真の目的は、働く人への応援、お仕事コメディ。人と人の心のひだがすごく描かれていている作品だと思います。

愛原 タイトルの『ブラックorホワイト?』というのは、白か黒かは自分の取り方という意味でもありますし、どこか社会や心の「黒」を指している部分もあるかなと。できれば「白」で生きていきたいですね。

真琴 そう! 夏ですからね(笑)。笑いながらスカッと観ていただきたいですね。

愛原実花 真琴つばさ

まことつばさ○東京都出身。85年に宝塚歌劇団入団。97年から01年まで月組トップスターとして絶大な人気を誇る。退団後は歌手としてCD/DVD を多数制作、女優としてテレビ・ラジオ・舞台と幅広く活躍中。テレビは、連続ドラマ『七人の敵がいる~ママたちのPTA奮闘記~』(主演)、舞台は、『わが歌ブギウギ~笠置シヅ子物語~』『雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた』『愛と青春の宝塚』『アダムス・ファミリー』など。新橋演舞場では『幕末純情伝』『大和三銃士~虹の獅子たち』『ブラッドブラザース』『にんじん』など多数出演。現在、全国にて元宝塚トップスターとの競演『Life is Songs!』も各地で好評を得ている。

あいはらみか○東京都出身。04年宝塚歌劇団に入団。09年雪組トップ娘役に就任、10年に退団後は、舞台・映像で活躍中。テレビは、大河ドラマ『平清盛』、連続テレビ小説『マッサン』、『今日から俺は!!』など。舞台は、ミュージカル『ザ・オダサク』『ラ・カージュ・オ・フォール』『グレイト・ギャツビー』など、ストレートプレイ『熱海殺人事件』『それいゆ』浪漫活劇『るろうに剣心』『幕末太陽傳 外伝』など多数。本年12月にミュージカル『スクルージ ~クリスマス・キャロル~』への出演が控えている。

【公演情報】
『ブラック or ホワイト? あなたの上司、訴えます!』
作・演出:藤井清美
出演:佐藤アツヒロ、内博貴、真琴つばさ、八十田勇一、斉藤優里、愛原実花、福田転球、羽場裕一/小林美江、佐藤銀平、上野健
●8/21~25◎東京 新橋演舞場
〈料金〉S席(1・2階)10,000円 A席(3階)5,000円 B席(3階)3,000円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉チケットホン松竹 0570-000-489(10:00~18:00)
https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/enbujo1908_02/

●8/31・9/1◎名古屋 御園座
〈料金〉 S席10,000円 A席6,000円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉御園座チケットセンター 052-308-8899(10:00~18:00)
●9/5・6◎札幌 道新ホール
〈料金〉9,000円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉道新プレイガイド 0570-00-3871(10:00~18:00日曜定休)
●9/13◎石川 北國新聞赤羽ホール
〈料金〉8,500円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉北國新聞赤羽ホール076-260-3555(10:00~18:00土・日・祝日定休)
●9/14◎富山 南砺市井波総合文化センター メモリアホール
〈料金〉前売4,500円 当日5,000円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉南砺市井波総合文化センター 0763-82-5885
●9/16◎大阪 森ノ宮ピロティホール
〈料金〉10,000円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉キョードーインフォメーション0570-200-888(全日10:00~18:00)

 

【取材・文/榊原和子 撮影/中村嘉昭】

 

記事を検索

宝塚ジャーナルの最新記事

巨匠ベルイマン作による三人だけの会話劇『リハーサルのあとで』9月に上演!
2019年に観る新たな作品の輝き「KERA CROSS」第一弾公演『フローズン・ビーチ』!
新橋演舞場公演 『ブラックorホワイト?あなたの上司、訴えます!』 真琴つばさ・愛原実花 インタビュー
真矢ミキ主演の傑作四人芝居『正しいオトナたち』共演に岡本健一、中嶋朋子、近藤芳正が出演!
パワーアップして全国各地で上演!『蘭 ~緒方洪庵 浪華の事件帳~』藤山扇治郎・北翔海莉 インタビュー

旧ブログを見る

INFORMATION演劇キック概要

LINKえんぶの運営サイト

LINK公演情報