お芝居観るならまずはココ!雑誌『えんぶ』の情報サイト。

【松崎ひとみサムナツ活動日記】小劇場公演2019終演


ブログを読んで頂いている方にご報告が遅くなってしまったことをお詫びしつつ、小劇場公演2019の終演報告をさせていただきます。

今回の公演は、劇団サムライナッツでは初となる即興劇をお見せする『プレイクラフト』と、劇団員ナホ(ほなみ奈穂) 作・演出による『トンネルを抜けて』を上演させて頂きました。


舞台装置については、ナホが中心に考え、今まで杉板を黒に塗って使って使用していた既存の壁を、今回は白に近いグレーに全て塗り直して配置しました。
ナホが創り上げた今回の物語は、市内を周遊するバスの中での出来事だった為、演出も俳優陣も、まっさらなステージをどうバスの中としてみせていくのか、工夫を凝らしていました。


『トンネルを抜けて』で、バスの運転手役を務めたしろちゃん(城田和彦)。
劇中では、現実にはそこに無い“バスのハンドル”をずっと握り続けていました。
実はこれ、見ている以上に腕が痛くなったようで、筋肉がプルプルしてしまうのを一生懸命堪えていたんだ、と後から笑い話で話していました。
そういや、公演前のスタッフ総見の際、
「しろちゃん、劇中でハンドルを握っている演技をしてるけど、パントマイムじゃなくて、実際ハンドル持ったらどう?」
と提案したら、
「いや!あれは無くていいと思う!!」
と彼は全力で反対していたっけ。
あんな真剣な顔、後にも先にも見たことないって位に。
役者がプライドを持って、あえて実際にハンドルを持たない演技をする!と言うのなら、それ以上は言うまい・・と、あの時はそこで話は終わったんだけど。まさか“腕が痛い”のが理由だったとは。(笑)
これについても後に本人から、
「あの時、ハンドルを持てば?という話があったけど、俺、40分近く空中でハンドルを持ったら、絶対重さに耐えきれない!と思って、それだけは!と全力で阻止させてもらいました!」
と必死に話をしているのを耳にしました。
私はスタッフとしての立場から簡単に演出家や役者にリクエストすることがあるけど、リクエスト通りに表現するのは簡単じゃないこともあるらしく、「そんな簡単に言うな!」と怒られることもしばしば。(笑)
舞台での魅せ方は思っている以上に繊細だということ、そして俳優と呼ばれる人達も、同じ人間であることを忘れてはいけないなと思うのでありました。(たまに超人技級のリクエストを簡単にしちゃうので。気をつけます。)

 


初の試みとなった即興劇をお見せするステージ、その名も『プレイクラフト』。
私達が行った即興は、”ステイタスチェンジ”と”ペーパーズ”と言われるもので、お客様から頂いたお題や台詞を元に、キャスト同士がお互いをポジティブに認め合い、その場で起きる様々な出来事を肯定しながら物語を作っていくものなのでした。
これは一見、「稽古の必要あるの?」「ただ面白いようにやってるだけでしょ?」と思われがちですが。
プレイクラフトメンバーは、沢山稽古しました!
それは昨年の小劇場公演2018にオープニングアクトとして来てくれた劇団モカイコZさんの姿勢から学んだものでもありましたが、稽古して稽古して、それこそメンバー一丸となって鍛錬することで、エンターティナーとしてお客様にお見せできる即興劇が成立するということを盗み見させていただいていたので、それに習いました。
今回の公演を終え、クラフトリーダーとなった剛也が「即興という宇宙の入り口にようやく立てた気がする」と目を輝かせ、出演していた絵利奈は「私は私のままでいいんだ、って思うことが出来ました」と、即興劇をやったからこそ自然に湧き出た自己肯定感をこれからも大事にしたいと語っていました。

おかげさまで『プレイクラフト』も好評で、「初めて小劇場で演劇を観ました」というお客様から「こんなに気楽に鑑賞できる演劇もあるんですね」とカルチャーショックを受けつつ、リラックスして楽しんでいただいたお声を聞くことができました。

 

今回の公演もおかげさまで無事終演し、サムナツはこれからもお客様を楽しませるエンターティナーとして新たなチャレンジを続けていこう!と決意を新たにした次第です。
そんなわけで、劇団サムライナッツの夏公演情報解禁致します。
今年はなんと、2015年に公演した『SAIZO外伝』を再演することにしました。
劇団サムライナッツ史上でも”再演”は初めての試みです。
キャストが代わることで、同じ物語がいかに変化するのか。以前ご観劇して頂いたお客様にも、新たな目線からお楽しみ頂けるよう全力を尽くす次第です。
あわせて、4月27日まで、一般出演者とボランティアスタッフを大募集します!
今年の夏は劇団サムライナッツで一緒に熱い夏を過ごしませんか?
ご応募お待ちしています♪

■タイトル■
SAIZO外伝(再演)

■概 要■
長野県駒ヶ根市を中心に活動している
劇団サムライナッツの大劇場公演。
地元で活躍中の劇団員と一緒に舞台創りを行います。
今年は2015年に上演し大成功を収めた
劇団オリジナルSF時代劇、
『SAIZO外伝』を再演決定!

出演者には演技指導・殺陣指導あり。
各自の経験・スケジュールなどに合わせて
配役いたします。

スタッフ参加の方は、制作部・衣装部・小道具部
大道具部・音響部・照明部などなど
様々な部署の中からご希望の部署、
得意に合わせた部署のお力になっていただきます。
公演当日のみのスタッフ参加も
もちろんお待ちしております。

■公演日■
2019年7月27日(土)・28日(日)

■公演場所■
駒ヶ根市文化会館 大ホール

■稽古期間■
5月上旬~公演日まで
金・土・日祝および平日に配役により稽古あり。
本番1ヶ月前は通常より稽古日が増えます。

スタッフ参加の方は
ご自身のスケジュールに合わせてご参加ください。

■応募資格■
中学1年生以上。 経験不問。
初心者大歓迎!
稽古に積極的に参加できる方。

出演者・ボランティアスタッフ同時募集。

■出演者参加費■
20,000円

■ボランティアスタッフ■
参加無料

■締め切り■
4月27日

■参加申し込み方法■
HP問い合わせフォーム、SNSのDM、
メールなどでお気軽にお問い合わせください。

メール samurai_nuts@yahoo.co.jp

 

【著者プロフィール】
松崎ひとみ
劇団サムライナッツ・制作
劇団サムライナッツ/http://samurainuts.wixsite.com/samurainuts

▼▼▼今回より前の連載はこちらよりご覧ください。▼▼▼

日刊☆えんぶラインアップ

  • みょんふぁの『気になるわぁ〜』
  • 小野寺ずるの【女の平和】
  • WEB【CLOSE to my HEART】Photographer スギノユキコ with えんぶ
  • 【粟根まことの】未確認飛行舞台:UFB
  • 【松永玲子の】今夜もネットショッピング
  • 【池谷のぶえ】人生相談の館
  • 【ノゾエ征爾】の桜の島の野添酒店
  • ふれあい動物電気
  • 【植本純米vs坂口真人】『過剰な人々』を巡るいささかな冒険

日刊☆えんぶの最新記事

【ふれあい動物電気】新連載 髙橋和美「岡山のドジ」第16回「息子のために頑張る。」
【第7回】『ス、スズナリが…体験型お化け屋敷』
【池谷のぶえの「人生相談の館」】第77回 渡邊りょうさん(俳優)
【ノゾエ征爾の「桜の島の野添酒店」】No.125「陽の当たらない道」
【松永玲子の「今夜もネットショッピング」】「疲れ知らずのあの人の」

INFORMATION演劇キック概要

LINKえんぶの運営サイト

LINK公演情報