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神田松鯉・神田伯山・尾上松緑特別鼎談レポート

神田伯山・神田松鯉・尾上松緑

10月歌舞伎座「芸術祭十月大歌舞伎」(10月 4 日初~27日千穐楽)の第一部は、講談の名作『荒川十太夫』を尾上松緑の主演により新作歌舞伎として上演

する。公演を目の前に控えた9 月 28 日、歌舞伎座にて『荒川十太夫』上演記念「神田松鯉・神田伯山歌舞伎座特撰講談会」が開催された。松鯉、伯山それぞれの講談に加え、二人の講談の間には、特別ゲストに松緑を加えた 3 人による特別鼎談が行われた。

冒頭の挨拶で、松鯉は「こんなに大勢のお客様方にお運びいただき、大変ありがたいです」と喜びを表した。 28 日は、松鯉が傘寿を迎える誕生日。松緑が登場し、松鯉に向かい頭を下げて、「お誕生日おめでとうございます」と声をかけると、満席となった場内から割れんばかりの大きな拍手が送られた。

傘寿を迎えた心境について「いつの間にかなってしまった」と茶目っ気たっぷりに答えながら「芸もそれと同様に年取ってくれるとよいのですが、なかなか追いつかない。それでも及ばずながら一生懸命勤める気持ちは未だに持ち続けています」と真摯に語った松鯉。伯山が門弟一同で暖簾を贈ったことを明かすと、松鯉は「あまりに嬉しくて、暖簾の前で記念撮影をしました」と満面の笑みを見せた。

テンポのよいやり取りで会場を笑いに包みながら今回の講談会への想いや、『荒川十太夫』の魅力について語り、公演の最後には、出演の松鯉、伯山による三本締めが行われ、大盛況のうちに幕を閉じた。

神田松鯉
『荒川十太夫』の魅力は、人間の美学、講談の美学、男の美学がつまった作品。人を慮る心、いたいけなものに常に温かい眼差しを迎える、決して長いものには巻かれない。そういった惻隠の情、素晴らしい美学が詰まった作品です。

神田伯山
歌舞伎座は、お客様、裏方さん、皆さんの宝物だと思っています。そのような場所で公演ができて本当に光栄で、幸せな気持ちです。今回、歌舞伎座のチラシに「神田松鯉 口演より」と記載されていることを師匠がとても喜んでおりました。

尾上松緑
こんなに大勢のお客様にお越しいただき、自分のことのように嬉しく思っております。『荒川十太夫』は日本人の心に響く物語。実は、今日の公演の合間にお稽古があり、松鯉先生が稽古をご覧くださることになっております。歌舞伎のお稽古では先輩方に見ていただくことには慣れていますが、今日はいつも以上にこわい気持ちです(苦笑)。松鯉先生、伯山先生が語られる講談の作品を汚すことのないよう、お客様の心の底に伝わるような作品にしたいです。

【公演情報】
歌舞伎座「芸術祭十月大歌舞伎」
2022年10月4日(火)~27日(木)
休演:11日(火)、19日(水)

◎第一部 午前11時~

令和4年度(第77回)文化庁芸術祭参加公演
萩原雪夫 作
市川猿翁 演出
三代猿之助四十八撰の内
一、鬼揃紅葉狩(おにぞろいもみじがり)

更科の前実は戸隠山の鬼女 猿之助
平維茂 幸四郎
局かえで実は鬼女 門之助
侍女ぬるで実は鬼女 種之助
侍女かつら実は鬼女 男寅
侍女もみじ実は鬼女 鷹之資
侍女いちょう実は鬼女 玉太郎
侍女にしきぎ実は鬼女 左近
男山八幡の末社百秋女 笑三郎
男山八幡の末社千秋女 笑也
従者碓氷三郎 青虎
従者小諸次郎 猿弥
神女八百媛 雀右衛門

講談の名作が歌舞伎に!
神田松鯉 口演より
竹柴潤一 脚本
西森英行 演出
赤穂義士外伝の内
二、荒川十太夫(あらかわじゅうだゆう)

荒川十太夫 松緑
松平隠岐守定直 坂東亀蔵
大石主税 左近
杉田五左衛門 吉之丞
泉岳寺和尚長恩 猿弥
堀部安兵衛 猿之助

◎第二部 午後2時30分~

小幡欣治 作
大場正昭 演出
一、祇園恋づくし(ぎおんこいづくし)
中村鴈治郎・松本幸四郎 二役早替りにて相勤め申し候

大津屋次郎八/大津屋女房おつぎ 鴈治郎
指物師留五郎/芸妓染香 幸四郎
手代文七 巳之助
使いの者清助 廣太郎
おつぎの妹おその 千之助
茶店亭主金平 寿治郎
持丸屋女房おげん 高麗蔵
岩本楼女将お筆 孝太郎
持丸屋太兵衛 歌六

河竹黙阿弥 作
二、釣女(つりおんな)

太郎冠者 松緑
大名某 歌昇
上臈 笑也
醜女 幸四郎

◎第三部 午後6時15分~

萩原雪夫 作
一、源氏物語(げんじものがたり)
夕顔の巻

光源氏 梅玉
夕顔 孝太郎
惟光 市蔵
六條御息所 魁春

河竹黙阿弥 作
二、盲長屋梅加賀鳶
本郷お茶の水土手際より加州侯赤門捕物まで

竹垣道玄 芝翫
女按摩お兼 雀右衛門
手先長次 松江
お朝 男寅
道玄女房おせつ 梅花
家主喜兵衛 家橘
伊勢屋与兵衛 左團次
日蔭町松蔵 梅玉

〈料金〉1等席16,000円 2等席12,000円 3階A席5,500円 3階B席3,500円 1階桟敷席17,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉チケットホン松竹(10:00-17:00)0570-000-489
または東京 03-6745-0888 大阪06-6530-0333 チケットWeb松竹 検 索
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/794

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